[本文]

国名:
ドイツ
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2021/05/20
抄訳記事公開日:
2021/07/01
元記事の言語:
ドイツ語

グリーン水素ポテンシャル・アトラス:アフリカが世界のエネルギー・サプライヤーになる可能性

Potenzialatlas Wasserstoff: Afrika könnte Energieversorger der Welt werden

本文:

2021年5月20日付のドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記発表の概要は以下のとおりである。
カルリチェクBMBF大臣は、「グリーン水素」イノベーション担当委員シュテファン・カウフマン(Dr.Stefan Kaufmann)氏と共に、BMBFプロジェクト「グリーン水素ポテンシャル・アトラス」(Green Hydrogen Potential Atlas)を発表した。このアトラスでは、西アフリカ、南アフリカにおけるグリーン水素の製造と輸出に関する潜在力が分析されている。
グリーン水素はエネルギー転換の重要な要素である。グリーン水素を使うことで、産業、航空輸送、重量物輸送が気候に優しいものとなる。もちろんドイツは、その水素需要を満たすことのできるほどの、十分な自由な面積も、十分な風力および太陽光エネルギーも持ち合わせていない。従って、ドイツは長期的にはグリーン水素を輸入しなければならない、たとえば西アフリカや南アフリカからである。
アフリカのグリーン水素の生産と輸出の潜在能力について調査するために、BMBFは、2020年からプロジェクト”Hydrogen Potential Atlas”を助成している。再生可能エネルギー生産のための条件や必要なインフラと並んで、特に現地での持続可能な開発の可能性について注視している。5月20日に、カルリチェク大臣は、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の15か国に関する初のアトラスの結果を発表した。アトラスは、アフリカが将来ドイツの水素経済にとって重要なパートナーになる可能性があることを示唆している。
重要な成果の概要は以下のとおりである:
1)西アフリカだけで、年間最大16万5,000 TWhのグリーン水素の生産が可能である。この量は、2050年にドイツがおそらく輸入しなければならないグリーン水素量の110倍に相当する。
2)西アフリカでは16万5,000 TWhの水素のうち、約12万TWhは、1kg当たり2.50ユーロ以下で生産可能である。これと比較して、研究によれば2050年のドイツでの水素の1kg当たりのコストは約3.80ユーロになると予想されている。
3)太陽光エネルギーは、西アフリカ北部地域で最も安価に製造可能であり、風力エネルギーは、南部地域が最も安価である。西アフリカ北部での太陽光エネルギーの電力生産コストは、1KWh当たり2セント以下と低いため、グリーン水素の生産コストはここでは特に低くなる。比較すると西アフリカにおける再生可能エネルギーによる発電コストは、ドイツにおけるコストよりも約30%低くなる。
4)グリーン水素生産のためにエネルギー需要を絞ることなく、西アフリカの現地のエネルギー需要を満たすことは可能である。
5)グリーン水素に基づく経済の構築は、西アフリカの都市部、農村部の両方における社会的経済的に高い利益と関連している。これにより、アフリカの政治経済の指導者たちにとっては、水素技術は興味深いものとなっており、さらに、早期に水素経済に参入する可能性が高まっている。

[DW編集局]