[本文]

国名:
ドイツ
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2021/05/21
抄訳記事公開日:
2021/07/06
元記事の言語:
ドイツ語

生物多様性の保全に向けたリワイルディング(Rewilding)の推進

Rewilding – Mehr Freiraum für natürliche Prozesse

本文:

2021年5月21日付のドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記発表の概要は以下のとおりである。
生物多様性の保全は非常に重要である。プロジェクト“REWILD_DE”のコーディネータであるベルント・ハンスユルゲンス(Dr.Bernd Hansjürgens)教授とのインタビューでは、生物多様性の保全に向けたリワイルディング(Rewilding)の概念について考える。
生物多様性保全研究イニシアチブ(FEdA)により、BMBFはドイツにおける生物多様性の科学的研究と、新しく有効な種の保全対策の開発を支援している。研究イニシアチブの第1回公募では、「政治、経済、社会における生物多様性の評価と保護」というテーマで19のプロジェクトが、構想段階でのファンディング対象として選定された。“REWILD_DE”研究プロジェクトは、これらの選定されたプロジェクトの一つである。
リワイルディングの概念は、気候変動と種の絶滅に対する解決策として20年前に初めて提案されたもので、絶滅の危機に瀕している動植物種を元の生息地に戻し、生物多様性を高めるために、自然のプロセスを解放することを意味している。
プロジェクトは、オーダーデルタの“Rewilding Oderdelta“協会との緊密な協力により設立されたもので、この協会は様々な環境団体、企業、観光団体との準備作業を基に2019年に設立されている。プロジェクトはオーダー川のドイツ側とフォアポメルン・グライフスヴァルト(Vorpommern-Greifwald)地区を対象としている。この地域の特徴は、氾濫原や湿地林、落葉樹林や針葉樹林、湿原、静水や流水、内陸砂丘やヒース地域、農業用に利用されている耕作地や草地などの、様々なバイオトープがあることである。オーダーデルタはヨーロッパの8つのモデル地域の1つである。さらに、もう1つの基本的な考え方は、人間と自然との共存をサポートして、それにより持続可能な収入源の確保を図ることである。
チームの調査・研究の課題は、リワイルディングの生態系サービスを強化し、より適切に利用できる条件について調査することである。オーダーデルタでのリワイルディングが生物多様性の保全と回復にもたらす可能性と限界を考え、さらにそれらがドイツ全体の生物多様性と自然の保護に対してどのように活かせるかを検討する。
プロジェクトの調査では、地域住民との活発な対話が重要であり、それらによって住民がどのような疑念を抱いているか、またリワイルディングのアイデアにどの程度批判的であるかを知ることができる。これらの成果に基づいてオーダーデルタでのリワイルディングの実施のための全体的な概念が得られる。
“REWILD_DE”については、次の具体的な3点を期待している。第1は、リワイルディング・プロセスが生態学的にどのように機能するかを良く理解することである。第2は、地域の関係者と共に、オーダーデルタ地域での、リワイルディングにより形成される地域の将来像を発展させ根付かせることである。第3は、保護地域の「古典的な」自然保護と並んで、自然保護の別の形態としてのリワイルディングを導入して、生物多様性を維持するために、出発点をドイツのどこにすべきか検討することである。プロジェクト終了後に、その地域は「花開く景色」になってよかったと人々が思うようになっている、そのことを願っている。
5月22日は生物多様性の日である。動物製品に対する高い需要が世界中の生態系を破壊していることを考慮すると、我々の一人一人が肉の消費について再考することで、多くのことが得られる可能性がある。

[DW編集局]