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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2021/06/08
- 抄訳記事公開日:
- 2021/07/12
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2020年度 EU予算実績報告
- 本文:
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2021年6月8日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
ECはこのほど、欧州連合(EU)の予算実績報告に関する2件の補足資料を提示した。
① EU予算の年次運用・実績報告
② 2021~2027年EU長期予算の実行枠組みの将来見通しに関する公報● 2020年EU予算に関するEUの年次運用・実績報告(AMPR)
2020年度年次運用・実績報告は、EUが2020年の予算を迅速かつ効果的に使用して、コロナウイルスの危機とその影響を緩和したことを示している。
・EUは危機の影響を緩和するために、わずか数週間で、予算の範囲内で利用可能なすべての資金を動員した。資金は、構造基金などの既存のプログラムの新たな柔軟性を通じて、または「緊急支援手段」(ESI)や革新的な「緊急時の失業リスク緩和のための一時的支援策」(SURE)などの新しいイニシアチブを通じて迅速に展開された。
・コロナウイルスのパンデミックとその結果に対する予算上の対応は包括的であり、差し迫った保健危機とその社会経済的影響に対処した。
・一元化されたEU調達は、すべてのEU加盟国による安全で効果的なワクチンの確保に役立った。SURE は、加盟国に資金を提供し、推定2,500万~3,000万人に達する労働者の雇用を支援した。
・EUはまた、チーム・ヨーロッパ(Team Europe)の取り組みと、「COVID-19 ワクチン・グローバルアクセス」(COVAX)ファシリティへの支援を通じて、世界中のワクチンへの公平なアクセスの提供を主導した。パンデミック対策と並行して、EUはその予算を通じて政治的優先課題についても引き続き前進させた。
・2014〜2020年の予算の20.1%(2,160億ユーロ)を気候変動対策に支出することで20%の目標を達成し、また8%(850億ユーロ)を生物多様性に支出して、グリーン移行を支援した。
・結束基金や欧州戦略投資基金(EFSI)を通じて、2,500万世帯の高速インターネットへの接続を支援するなど、デジタル移行を支援した。● EUの2021~2027年EU長期予算の実行枠組み
2020年以降のEU予算の前例のない規模と役割、復興手段 「次世代EU」(NextGenerationEU)の創設を前提として、EUのリソースを効果的に使うことがさらに重要になる。
・発表で示されている実行枠組みは、ECとそのパートナーによる予算のさらなる効果的な実施・運営に資するものである。
・実行枠組みは、2021~2027年長期予算と「次世代EU」の各プログラムが達成すべき具体的な目標と、進捗状況の評価と結果の定期的な報告に必要な指標・目標で構成されている。
・最新の実行枠組みは重要な管理ツールでもある。新たな問題の早期特定により、タイムリーな是正措置を講じることができるようにし、また新しい優先課題が発生した時には、法的枠組みで想定されている範囲内で、リソースの再割り当てを通知できるように、必要な情報を提供する。
・ECは、最新の強力な実行枠組みを単独で実施することはできない。EUプログラムの有効性と透明性を高めるためには、協調的な取り組みが必要である。ECは、欧州議会(EP)、EU理事会、欧州会計監査院(ECA)、および加盟国により、EU支出の実効性がますます重要視されていることを歓迎する。 [DW編集局]