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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/06/08
- 抄訳記事公開日:
- 2021/07/19
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研究とイノベーションを推進する応用科学芸術専門大学(HAWK)
Förderung von Forschung und Innovationen retten Arbeitsplätze
- 本文:
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2021年6月8日付のドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記発表の概要は以下のとおりである。
コロナ禍の間に、ヒルデスハイム/ホルツミンデン/ゲッティンゲン地域の研究ネットワークによる空気清浄産業分野における新しい開発のおかげで、参加企業は危機に瀕していた地域の雇用を守ることができた。
コールドプラズマは、細菌に汚染された傷の治癒を加速したり、洗浄や消毒に用いたりすることができるので、医学や衛生分野での真のオールラウンドプレーヤーといえる。ヒルデスハイム/ホルツミンデン/ゲッティンゲン地域では、このテーマについてのトータル研究ネットワークが形成されており、現地の応用科学芸術専門大学(HAWK)がイニシアチブを採った。この単科大学は企業や大学と共に、長年にわたりコールドプラズマの応用研究を成功裡に行なっていた。
コロナ禍では、従来の衛生面への適用と並んで、ウイルス含有エアロゾルが研究の中心となった。コールドプラズマが空気清浄に適していることから、HAWKは、Oxytec(株)やPlasma Complete(有)と共に、短期間でプラズマ空気清浄器“CleanAir Sky L”を開発した。この装置により室内空気中のあらゆる種類のウイルスおよび細菌がフィルターにかけられ、危険物質やアレルゲンも除去される。エアロゾル中のウイルスに対する本装置の有効性については、ヨーロッパの主要な研究機関の一つによって実証実験下でテストされ、本装置は非常に静かでメンテナンスも少なくて済むことがわかっている。
このイノベーションはパンデミックとの闘いに有効であるだけでなく、地域経済に対しても顕著な効果を示している。ヒルデスハイムの伝統的な企業であるEdelstahl Nord(有)は、パンデミックにより経営が行き詰まり、破産を申請しなければならなかった。Oxytec(株)がこの会社を継承し、現在継承された会社でCleanAir Sky Lが製造されている。これにより、ヒルデスハイムだけで55人の雇用が守られ、さらにアデレブセン、ゲッティンゲン、ザルシュテットおよびハンブルクでも新たな雇用が生まれている。
この例から、危機にはチャンスが抱合され得るのだという自明の理を学ぶことができる。何よりも研究機関と企業の間で良好に機能するイノベーション・ネットワークが如何に重要であるかが示されている。この長年の協働によってのみ、数か月という短期間で重要な製品を開発し市場化することが可能となった。
このHAWKネットワーク「プラズマを生活に(Plasama for Life)」は、BMBF助成プログラム「専門大学における研究(Forschung an Fachhochschulen)」の枠組みで長年戦略的にサポートされてきた。衝撃的な専門大学 (FH-Impuls)プログラムの枠組みで、合計10件のパートナーシップが生まれ、それぞれ重点テーマに専念し、専門大学の研究成果ができるだけ早期に有用な製品やサービスの形で人々に届けられるようにしている。これを可能とするために、BMBFはパートナーシップに対し、2017年以来平均して8年間合計約1億ユーロを拠出する予定である。 [DW編集局]