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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/06/14
- 抄訳記事公開日:
- 2021/07/28
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量子コンピュータがもたらす新しい技術レベル
- 本文:
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2021年6月14日付のドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記発表の概要は以下のとおりである。
ドイツで企業による量子コンピュータのテストが可能になった。カルリチェックBMBF大臣とノイゲバウアー フラウンホーファー協会(FhG)会長が、FAZ紙でこれについて語っている。
ドイツで最初の商用量子コンピュータが使用可能となった。ノイゲバウアーFhG会長は、「以前の古典的なコンピュータより非常に多くのことができる」と明確に語った。
コンピュータは何よりも複雑な課題を解くことに、たとえばシミュレーションに使う。量子の特性を利用することで、コンピュータは、連続的に(すなわち一つずつ)計算するだけでなく、パラレルに計算することができる。これは驚くべき飛躍であるとノイゲバウアー氏は指摘した。
現在エーニンゲンで組み立てているコンピュータは、IBM Quantum System Oneと呼ばれる。27の超伝導Qビットを有し、現在利用可能な最も高性能なシステムの一つである。BMBFは10億ユーロのプログラムで量子コンピュータを推進している。カルリチェックBMBF大臣は、4つの見通しを明らかにし、次のように述べた。「最初に、量子コンピュータ・アプリケーションを試してテストできるようにすることが重要である。次にこの技術を何よりもドイツで開発する必要がある。第3番目としてハードウェアとソフトウェアを一緒に扱うことである。第4として十分に教育された専門家が必要である。これら全てに同時に取り組んでいる」。
BMBFは、実証機向けの資金提供の発表と、アプリケーション・ネットワークの構築を公表した。ネットワークは共同で調達申請を提出するために形成されている。
企業はBMBFの資金調達措置とは関係なく、次のようなコンソーシアム “Quantum Technology and Application Consortium“(QUTAC)を組織する。
現時点で、量子コンピューティングには、約80のプロジェクト・パートナーが参加しており、フラウンホーファー・コンピテンス・ネットワークを介してコンピュータにアクセスするための顧客を獲得することができたと、ノイゲバウアーFhG会長は述べた。
同氏は、「さらに、このコンピュータを使ってエンジニアや意思決定者がコンピテンスを構築し、新しいアプリケーションの可能性とビジネスモデルをテストできるようになるであろう」と付け加えた。 [DW編集局]