[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2021/06/15
抄訳記事公開日:
2021/08/06

アフリカ南部での砂漠化と旱魃を防ぐための取り組み

Mit Forschung gegen Dürre und Wüstenbildung

本文:

2021年6月15日付のドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記発表の概要は以下のとおりである。
地球表面の40%が砂漠化によって脅かされており、何億人もの人々が生活の危険に晒されている。砂漠化を防ぐ方法について、南アフリカのシュテレンボッシュ大学のガイ・ミッドグリー教授(Prof.Guy Midgley, Universität Stellenbosch)は次のように語った。
BMBFが助成する砂漠形成と旱魃に関するイニシアチブ「気候変動と適応型土地利用のための南部アフリカ科学サービスセンター(SASSCAL)」の研究で得られた知見と、砂漠化の主な原因については、アフリカ南部における植生被覆の減少と増加の特定パターンに関する研究結果がある。これらのパターンは水収支の中長期的な変化、すなわち水入手の可能性、短長期的な気候条件の変化、および人間の土地利用の方法と関連している。
特に南アフリカでは深刻な水不足に苦しんでいる。この水不足が自然科学的な観点からどのように生じたかというと、生態系の水不足は少雨によって引き起こされ、植生のエネルギー資源を使い尽くしてしまうような人間による過剰な水の使用によって、さらに悪化している。これらの影響は数か月から数年にわたって同時に現われ、自然の気候変動と人的気候変動に拠ってもたらされる。
気候変動が砂漠化の最大の要因であるが、この悪循環を断ち切り、草原が砂漠に変わるのを防ぐ方法を検討するにあたり、草原は旱魃のストレスに耐えることができるので、その回復力に着目し過剰に使い込まないことが重要となる。
アフリカ南部での研究が主体であるが、これらの成果を他の地域に移転できるかについては、ほとんどの亜熱帯草原地域がアフリカ南部の草原と同様の脅威に直面していることから、これらの地域の研究者やステークホルダーとの間の情報交換は非常に有用であると思われる。生態系の回復力、生態学的障害管理体制の最適化、生物多様性および生物利用の程度に関して、生態系を持続可能に管理し、協力して研究を進めていく必要がある。
砂漠化と闘うために、個人として何ができるかについては、砂漠化、人間の土地利用、人間のニーズとの関連をより深く理解することが重要である。有害をもたらしかねない過度に単純なソリューションには投資しないように注意する必要があり、特に長期的な脅威を真に減らしていくためには、化石燃料の使用を終了させる必要がある。

[DW編集局]