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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2021/06/21
- 抄訳記事公開日:
- 2021/08/10
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欧州イノベーション・スコアボード:EU加盟国・地域でのイノベーション・パフォーマンスの向上が続いている
- 本文:
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2021年6月21日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
欧州委員会(EC)はこのほど、欧州イノベーション・スコアボード2021年版をリリースした。これは、欧州のイノベーション・パフォーマンスがEU全体で向上し続けていることを示している。2014年以降、イノベーション・パフォーマンスは平均して12.5%向上している。欧州連合(EU)内では継続的な同等化傾向にあり、パフォーマンスの低い国はパフォーマンスの高い国よりも急速に成長しているため、それらの間のイノベーション・ギャップは縮小しつつある。このほど同じく発表された2021年版地域イノベーション・スコアボードによると、この傾向はEU地域全体のイノベーションに当てはまる。世界の状況では、EUは中国、ブラジル、南アフリカ、ロシア、インドなどの競合国よりも優れたパフォーマンスを示しているが、韓国、カナダ、オーストラリア、米国、日本はEUをリードしている。今年の欧州イノベーション・スコアボードは、デジタル化と環境の持続可能性に関する新しい指標を含む改定された枠組みに基づいており、EUの政治的優先課題とより合致したものとなっている。
● 調査結果の概要
EU諸国は、スコアに基づいて、イノベーション・リーダー、強力なイノベーター、中程度のイノベーター、新興のイノベーターの4つのパフォーマンス・グループに分類される。
・スウェーデンは引き続きEUイノベーション・リーダーであり、フィンランド、デンマーク、ベルギーがそれに続き、すべてEU平均をはるかに上回るイノベーション・パフォーマンスを誇っている。
・パフォーマンス・グループは地理的に集中する傾向があり、イノベーション・リーダーと最も強力なイノベーターは北欧と西欧に位置し、中程度および新興のイノベーターのほとんどは南欧と東欧に位置している。
・EUのイノベーション・パフォーマンスは、2014年以降平均して12.5%ポイント増加している。パフォーマンスが最も向上しているのは、キプロス、エストニア、ギリシャ、イタリア、リトアニアである。
・加盟5か国(キプロス、エストニア、ギリシャ、イタリア、リトアニア)で25%ポイント以上のパフォーマンスの向上が見られた。加盟4か国(ベルギー、クロアチア、フィンランド、スウェーデン)では、パフォーマンスが15〜25%ポイント向上した。加盟8か国(オーストリア、チェコ、ドイツ、ラトビア、マルタ、オランダ、ポーランド、スペイン)では、パフォーマンスが10〜15%ポイント向上した。残りの加盟10か国では、最大10%ポイントのパフォーマンス向上が見られた。
・EUの平均を世界の競合国と比較すると、韓国は最も革新的な国であり、2014年のEUのスコアを36%上回り、2021年のEUのスコアを21%上回っている。今年の欧州イノベーション・スコアボードでは、EUは中国、ブラジル、南アフリカ、ロシア、インドを上回っているが、カナダ、オーストラリア、米国、日本はEUを上回っている。
・2014年以降、イノベーション・パフォーマンスは240地域のうち225地域で向上した。地域間のパフォーマンスの差が縮小するにつれて、時間の経過とともに地域のパフォーマンスが同等化するプロセスが見られた。
・欧州で最も革新的な地域はスウェーデンのストックホルムで、フィンランドの南スオミ州(Etelä-Suomi)、ドイツのオーバーバイエルンがそれに続く。デンマークの首都地域は4位、スイスのチューリッヒは5位である。 [DW編集局]