[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2021/07/13
抄訳記事公開日:
2021/08/25

DARPAがレアアースのバイオマイニング技術開発プログラムを開始

Developing Cohesive, Domestic Rare Earth Element (REE) Technologies

本文:

2021年7月13日付の国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

レアアース(REE: 希土類元素)は、17種類の類似した金属のグループで構成されており、レーザー、精密誘導兵器、モーター用の磁石など、多くの国防総省(DOD)のシステムの重要な材料である。米国には十分な国内REEリソースがあるが、サプライチェーンは、これらの元素の分離・精製を外国の事業体に依存しているため、脆弱である。

「バイオマイニング(Biomining)」は、微生物を利用して金や銅などの目標となる金属をさまざまな資源から抽出・分離する方法であるが、微生物のレアアースに対する特異性や選択性が低いために、レアアースにはまだ有効ではない。「バイオエンジニアリングリソースとしての環境微生物(EMBER: Environmental Microbes as a BioEngineering Resource)」プログラムは、微生物工学および生体分子工学を利用して、国内の未開発のリソースを用いて、REEのスケーラブルなバイオベースの分離・精製戦略を開発することを目的としている。

プログラムの期間は4年間で、2つの技術分野(TA)に取り組み、3つのフェーズに分かれている。TA1の「レアアース活用のためのバイオエンジニアリング」では、過酷な条件下でレアアースの結合を可能とするために、微生物や生体分子を操作するためのプラットフォームの確立を目指す。TA2の「REEバイオマイニング」では、実際の原料から個々のREEを精製するためのバイオマイニング・ワークフローの開発とテストに焦点を当てる。チームは、包括的で永続的なソリューションを開発するために、両方のTAに提案する必要がある。

フェーズ1では、REEの分離に適した微生物や生体分子の開発に取り組む。フェーズ2では、実際の原料からのREEの分離の効率と規模の向上に取り組む。フェーズ3では、積極的なパイロットスケールのREEバイオマイニングの実証を完結させる。プログラム全体を通して、各チームはDARPAが設立した独立検証・妥当性確認(IV&V)チームと協力する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]