[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2021/06/21
抄訳記事公開日:
2021/09/10

地球科学研究センター(GFZ)に新しい研究棟開設

Staatssekretär Meister eröffnet Laborgebäude am Geoforschungszentrum

本文:

2021年6月21日付ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記報道発表の概要は以下のとおりである。
ドイツ地球科学研究センター(GFZ)の敷地内に建設された新研究棟の開所式が本日行なわれた。”GeoBioLab”は、地下生物圏の研究を行なうための学際的プラットフォームである。
この研究棟は、1,610万ユーロをかけてわずか2年の工期で完成した。1,500m2を超えるスペースに、GFZのセクションである「界面地球化学」と「地球微生物学」の50人の研究者用のために研究室とオフィスが作られた。GeoBioLabは、2つの方法で、気候保護と持続可能性で重要な役割を果たす。一方で、この建物は、持続可能な建物ということで建築業界の国際認証システムDGNBの「銀の認証」を受けていて、他方では、微生物学、地質学、鉱物学、生物情報学、地形学などの様々な分野の科学者たちが、今後、地下の微生物の生息地、すなわち深部地下生物圏と気候との相互作用を研究する予定である。

現在の研究では、地球の表面下数千メートルの深さでも、微生物の活発な生物圏があり、これらの生物は気候にとって重要なプロセスに影響を与える。その例としては北極永久凍土中における強力な温室効果ガスであるメタンの生成と分解が挙げられる。今後エネルギー源を貯蔵するために地下空間の利用が増えると考えられるが、隠れた微生物の生息地にも影響を与える可能性がある。

従ってこれらの小さな生物は、気候変動を加速させたり弱めたりする、地球の気候上重要なフィードバックの鍵と見なされている。しかし、地球内部の生物学的プロセスについては、これまでほとんど研究されて来なかった。中心的な問題は、たとえば地球内部の高圧、高温、極端な栄養素の欠如などの、過酷な条件下で、生物がどのように存在できるかということである。

この新研究棟には、GFZが研究分野をさらに探究し、温室効果ガスの形成と削減に関する新しい知見を得るための施設と設備が備わっている。
BMBFのマイスター政務次官は、次のように述べている。「GFZのあるテレグラフェンベルクは、150年近くにわたり優れた科学の地であった。GeoBioLabで行なわれる研究によって、北極の土壌で何がおこっているのか、そして最小の生物や微生物が、温室効果ガスの形成と分解により、気候にどのような影響を与えるかを解読することができる」。

[DW編集局]