[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
国家自然科学基金委員会(NSFC)
元記事公開日:
2021/08/05
抄訳記事公開日:
2021/09/29

中国・2021年度「航空エンジン高温材料/先進製造および故障診断科学的基礎重大研究計画」プロジェクトガイド公表

航空发动机高温材料/先进制造及故障诊断科学基础重大研究计划2021年度项目指南

本文:

中国国家自然科学基金委員会(NSFC)はこのほど、「航空エンジン高温材料/先進製造および故障診断科学的基礎」重大研究計画2021年度プロジェクトガイドを公布した。要旨、以下の通り。

航空エンジンは国家の重要な武器であり、この分野においてブレークスルーをできるだけ速やかに実現することは、国民経済の発展を促進し、国家の核心的競争力の向上にとって重大な意義を有している。航空エンジンは高温、高圧、高速、負荷変動等の条件の下において長期間使用されるもので、その重要な部品の材料の準備や加工・製造工程は複雑で、エンジン運転中の安全保障も極めて重要である。しかし、現在、中国の高温材料、先進製造および故障診断の基礎科学の研究は不足しており、中国航空エンジンの開発は深刻な制約に直面している。

本重大研究計画は、航空エンジンの高温材料、先進製造、故障診断の3つの面においてボトルネックとなっている科学的基礎に焦点を当て、需要と目標の方向付けと成果応用の連結を強化し、中国における航空エンジンの技術的進歩と産業発展のためにイノベーション的アイデアと科学的サポートを提供する。

一. 科学的目標
本重大研究計画は、国家の戦略的ニーズに目を向け、航空エンジンの高温材料、先進製造、故障診断等の研究の最前線に焦点を当て、学際的な交差と深い融合を通じて、関連の基礎的な科学的問題の研究を展開し、中国における航空エンジンの高温材料、先進製造、故障診断基礎研究の独自のイノベーション能力と国際的影響力を高め、比較的に安定した高強度の支援を通じて、国際的なレベルを有する航空エンジン関連の基礎研究のチームを集めて、育成することを目的としている。

二.核心的科学的問題
(一)航空エンジン高温材料の性能最適化と長寿命使用の安定性。
(二)航空エンジン重要部材の製造時の成形性の協調制御のメカニズム。
(三)航空エンジン状態情報の感知とインテリジェント診断・予測の原理。

三.2021年度重点資金援助研究の方向性
(一)重点サポートプロジェクト
航空エンジン高温材料の成分設計、組織構造の調整・制御と特性評価、長寿命使用の安定性、部材のマクロおよびミクロ形状・性能に対する製造工程の影響、部材表面状態の変化および調整・制御、航空エンジン故障メカニズムと特徴の表現等の間における本質的法則等をめぐる研究を重点的にサポートする。
(二)統合プロジェクト
すでにプロジェクトとして確立している統合プロジェクトを基礎として、航空エンジン重要部材の製造成形性の協調制御メカニズムの研究を継続するとともに、航空エンジンの高温材料、先進製造、故障診断の研究の3つの面におけるボトルネックとなっている問題を統合し、優位性をもった力を集中し、統合イノベーション研究を実施し、飛躍的発展を実現し、先進的航空エンジンの重要なホットエンド部品における重要技術のできるだけ速やかな適用を支援する。

四.2021年度資金援助計画
2021年度に資金援助を予定している重点サポートプロジェクトは約6~8件で、1件あたりの直接費用は約300万元、資金提供期間は4年。統合プロジェクトは約2件で、1件あたりの直接費用は約2,000万元、資金提供期間は4年である。

[DW編集局]