[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2021/08/10
抄訳記事公開日:
2021/09/30

量子通信研究で、欧州当局間の最初の量子通信リンクに成功

Karliczek: Meilenstein in der Forschung zur Quantenkommunikation erreicht

本文:

2021年8月10日付ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記報道発表の概要は以下のとおりである。
BMBFが助成するイニシアチブQuNETには、フラウンホーファー協会(FhG)、マックスプランク協会(MPG)、およびドイツ航空宇宙センター(DLR)が参加し、盗聴や改ざんを防止したデータ送信を可能にする量子通信パイロット・ネットワーク技術を開発している。本日、カルリチェクBMBF大臣は、ドイツの2つの連邦政府機関の間で、初めてとなる安全な量子接続がされたと発表した。これはBMBFとボンの連邦情報セキュリティ庁(BSI)との間でのビデオ会議通信のために、試験的に設定されたものである。
カルリチェクBMBF大臣は次のように述べた。「量子通信により、ドイツとその市民のための安全保障を達成することができる。量子通信は、ITセキュリティの重要な技術の一つであり、将来の脅威となるシナリオに備えることができる。インターネット上の安全保障と主権は、安定した民主主義の前提条件であり、重要である。2年前にイニシアチブQuNETを立ち上げたのはそのためである。量子通信は6月に立ち上げたITセキュリティに関する連邦政府の研究枠組みプログラム「デジタル、安全、主権」の重点領域でもある。研究開発を通じて将来の盗聴防止ネットワークに必要な技術基盤をつくり出す必要がある。QuNETが試験的に確立した2当局間での初めての安全な量子接続は、量子通信における重要なマイルストーンである。安全性の高い量子通信ネットワークを確立することで、ドイツと欧州の独立性を強化し、第3者の影響力から身を守ることができる。したがって量子通信の研究が、連邦政府による「経済・未来のパッケージ」の戦略的技術資金の一環として、さらなる後押しを受けたことを大変うれしく思っている」。

リヒター連邦内務省政務次官は、次のように付け加えた。「安全な量子通信は、国家安全保障当局にとって、そして連邦内務省にとっても大きな関心事である。外部に依存することなくドイツで開発された技術により通信を保護することができるならば、それは大きな利点となる。QuNETを使ってドイツの研究機関がBMBFとBSIとの間で初めて安全な量子ビデオ会議を実施できたことを大変うれしく思う」。

[DW編集局]