[本文]
-
- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
- 元記事公開日:
- 2021/08/17
- 抄訳記事公開日:
- 2021/10/04
-
英国政府が世界をリードする水素経済計画を立ち上げ
UK government launches plan for a world-leading hydrogen economy
- 本文:
-
2021年8月17日付ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の標記発表の概要は以下のとおり。
世界をリードする水素経済を始動するための史上初のビジョンは、2030年までに9,000人を超える英国の雇用を創出支援し、40億ポンドの投資を実現することを目指している。
英国初の「水素戦略」は、グリーン産業革命に向けた首相の野心的な10ポイント計画に示された取り組みを推進するものであり、英国政府が産業界と協力して、2030年までに5GWの低炭素水素製造能力の目標を満たす方法の基盤を設定するものである。これは、毎年英国の約300万世帯に電力を供給し、輸送や企業、特に重工業に電力を供給する天然ガスの代替に相当する。
政府の分析によると、2050年までに英国のエネルギー消費量の20〜35%が水素ベースとなる可能性があり、この新しいエネルギー源は、2050年までに排出量正味ゼロを達成し、2035年までに排出量を78%削減するという目標の達成に不可欠なものとなる可能性がある。英国では、低炭素水素経済は2032年までに、7億本の木が捕獲する炭素量と同等の排出削減を実現でき、英国が化石燃料から脱却するにつれて、よりクリーンなエネルギー源を活用するための重要な柱となる。
政府はこのほど、水素優先ビジネスモデルに関する公開協議を開始した。これは、洋上風力発電における差金決済取引(CfD)制度と同様の前提に基づいて構築されるもので、低炭素水素と化石燃料の間のコストギャップを克服し、(水素が我々の生活においてますます重要な役割を果たすようになるにつれて)低炭素代替燃料のコストの急速な低下を支援するように設計される。これに加えて、政府は、英国全土での新しい低炭素水素製造プラントの商業展開の支援を目的とした、2億4,000万ポンドの「ネットゼロ水素基金」の設計について協議する。
英国初の「水素戦略」に含まれるその他の措置には、次のものがある。
・「グリーン」電解水素製造および「ブルー」炭素回収対応水素製造を含む複数の技術を支援する「ツイントラック」アプローチの概要を説明し、政府の生産戦略について2022年にさらに詳細を示すことを約束する。
・産業界と協力して低炭素水素の英国規格を策定し、英国が生産する水素がネットゼロに準拠していることを生産者とユーザーに確実に示すと同時に、水素の全国展開を支援する。
・水素セクターの振興支援に必要なネットワークとストレージ・インフラの開発を支援するためのレビューを実施する。
・産業界と協力して、既存のガス供給に20%の水素を混合することの安全性、技術的実現可能性、費用対効果を評価する。こうすることで、天然ガスの排出量を7%削減することができる。
・2022年初頭に水素セクター開発行動計画を発表し、水素におけるサプライチェーンの機会、スキル、雇用を確保するための政府による企業支援の方法を明らかにする。政府はまた、汚染源となっている産業の排出量の大幅削減を優先的に支援し、英国の低炭素水素経済を構築するための第一歩として機能する 「ネットゼロ・イノベーション・ポートフォリオ」を通じて、1億500万ポンドのファンディング・パッケージを発表した。
[DW編集局]