[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立情報科学・自動化研究所(INRIA)
元記事公開日:
2021/08/31
抄訳記事公開日:
2021/10/13

ROAD-AI:より持続可能で、より安全で、より強靭な道路インフラへのチャレンジ

ROAD-AI, un Défi pour des infrastructures routières plus durables, plus sûres et plus résilientes

本文:

2021年8月31日付国立情報科学・自動化研究所(INRIA)の標記発表の概要は以下のとおり。

道路網は、公共資産の最も重要な要素の1つである。実際に国は、2万1,000 km 近くの道路に責任があり、維持、整備、取替、保守する必要がある。整備が不十分であると、道路は間違いなくその資産価値と使用価値が減少し、大きな経済的影響をもたらす結果となる。

この管理の背後には、Cerema(リスク・環境・モビリティ・国土開発に関する研究・専門能力センター)などの道路事業者があり、その任務の中でインフラ資産の統合管理(GPI)を提供している。したがって、今回のアプローチでは、長期的な課題を短期的な制約や運用ロジックと調和させることにより、より持続可能で、より安全で、より強靭な輸送インフラ・サービスを、国が利用できるようにすることを目的としている。

しかし、今日のインフラは気候変動によって厳しい試練を受けている。極端な現象が増加するにつれて、洪水、土地の変動、土砂崩れなど、道路インフラに深刻な影響を及ぼしている。さらに、インフラ自体の使用条件は、道路交通の頻度又はその性質(よりトン数の大きな車両)によって変化する。道路利用者は、道路利用に関連する安全性や快適性の問題だけでなく、インフラの構築・保守に関連する環境問題についても関心を高めている。

● ROAD-AI:明日の道路インフラ資産管理方式の創案に向けた4年間の取り組み

上記問題を契機として、Cerema は、Cerema の専門能力とINRIA のデジタル科学能力というノウハウを共有するべく、両者のコラボレーションの立ち上げをINRIAに要請することになった。その目標は、今日の研究センターが直面している科学的・技術的障害を乗り越えて、道路事業者に利するインフラ資産維持方式を開発することである。

このコラボレーションは、枠組み協定の締結により2021年6月24日に正式なものとなり、ROAD-AIと呼ばれる「チャレンジ」を誕生させた。

● ROAD-AI チャレンジのスローガンである多分野研究

INRIA と Cerema の間の予備的な議論の間に両組織間で特定された横断的な技術ブロックに基づいて、次の3つの多分野研究軸に分類された。
・センサーとドローンを使用したデータの取得と収集
・3Dモデリングによるデータの復元
・生存分析、多様なデータの処理に基づく異常の検出

● 長期的なコラボレーションに向けた枠組み協定

ROAD-AI チャレンジ(その長期的な目標は、研究成果がエンジニアリングで運用可能になった時点で、道路管理者の資産戦略を変更することである)に加えて、Cerema と Inria の間で定めた枠組み合意は、両組織間の潜在的なより広範なコラボレーションに向けた第一歩である。

[DW編集局+JSTパリ事務所]