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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/08/19
- 抄訳記事公開日:
- 2021/10/14
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BMBFが生物学と技術の境界におけるイノベーションに1,600万ユーロを提供
Karliczek: Von der Natur für die Weiterentwicklung von Schlüsseltechnologien lernen
- 本文:
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2021年8月19日付ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記報道発表の概要は以下のとおりである。
BMBFは、アイデア公募「技術の生物学的応用」の一環として、53のプロジェクトを選択した。これらのプロジェクトの目的は、生物学的システムに関する知識を技術的な応用に移すことである。このようにして得られた知識は、さらなる資金調達活動の原動力となり、素材や生産研究における技術主権の強化に資するものである。プロジェクトの開始にあたり、カルリチェクBMBF大臣は次のように語った。
「持続可能な素材は、経済成長のバックボーンである。人工知能(AI)、量子コンピューティング、バッテリー技術など有望なその他の主要技術をさらに発展させ、国際的に貢献していくためには、新しい革新的な素材を開発する必要がある。それゆえ、素材研究における革新的な道を追求し、生命科学のような関連する科学分野から刺激を受けることが非常に重要である。なぜなら、素材の開発や生産研究をさらに発展させるために、自然からなお多くのことを学ぶことができるからである。
助成対象となったプロジェクトの一つは、ヒト軟骨のモデルに基づいて、関節インプラント用の摩擦を最適化したコーティングの研究である。このコーティングの目的は、インプラントを動かしたときの摩耗を減らし、その耐久性を大幅に改善することにある。他のプロジェクトでは、自己修復の生物学的原理を、風力タービンのローターブレードのプラスチック素材に応用する研究を行っている。これは、雹や鳥の衝突による素材のクラック(亀裂)を素材「自身で」修復することができ、メンテナンス・コストを大幅に削減することができる。生産技術の一例としては、色と質感を変える皮膚を持つイカのモデルの、タッチスクリーンの表面への適用がある。ドイツの研究・産業の現場にとっては、環境保護、気候保護、医療、建築などの分野での、将来の応用を考えると、大きな可能性が広がっている。したがって、総額1,600万ユーロの資金によって、有望な生物学的応用技術の分野で、50以上の新しい研究プロジェクトの実施が可能となることを大変嬉しく思っている」。
2020年9月までにプロジェクトの概要の形で提出され、独立した専門家によって選ばれたこれらの研究の重点は、素材および材料研究または生産研究(ここでは製品開発と生産プロセス)である。目的は、産業アプリケーションのコンセプトの検証および実証モデルの構築である。
[DW編集局]