[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2021/09/08
抄訳記事公開日:
2021/10/22

共同研究センターが、EUの「開かれた戦略的自律性」の将来に関するフォーサイト報告書を公開

JRC publishes foresight report on the future of the EU’s Open Strategic Autonomy

本文:

2021年9月8日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。

過去9か月間、共同研究センター(JRC)は、100人を超える関係者や専門家と協力して、
2040年までの(およびそれ以降の)EUの「開かれた戦略的自律性」の将来を見据えたフォーサイト・プロセスを実施した。

フォーサイト・プロセスでは、既存の長所と改善すべき領域を調査し、新たな課題と将来の機会を特定した。地政学、技術、経済、環境、社会の5つの異なる領域に焦点を当てた。

このプロセスの結果は、欧州委員会によってこのほど採択された2021年戦略フォーサイト報告書に反映され、2040年までに(およびそれ以降も)EUの戦略的自律性を構築・確保するという政策報告書として示されている。

● EUの開かれた戦略的自律性の将来

  • 地政学においては、EUは志を同じくする国や組織との戦略的提携を強化し、防衛・安全保障の問題に共同で行動するための内部の政治的結束を高めることによって、その影響力を強化することができる。
  • 技術においては、デジタル主権を達成するために、EUは、イノベーションに適したエコシステムで域内の新興企業を拡大し、EUの価値観と基準に沿ったイノベーションを促進する方法で技術規制を設計することができる。
  • 経済においては、一方的な依存関係を回避するために、EUはその経済資産や産業の強靭性を強化することができる。ユーロの国際的役割を強化することにより、金融システムの安定性と強靭性を高めることができる。
  • 環境においては、EUは気候外交において、そしてグリーン移行のペースメーカーとして主導的な役割を維持する必要がある。グリーン移行を活用して、再生可能エネルギー技術における継続的なリーダーシップとさらなる循環経済の実施を通じて、EU産業を最新化することができる。
  • 社会においては、EUは、基本的権利と価値観に焦点を当て、域内で民主主義を強化することにより、世界における地位を高めることができる。EUの労働力が将来も競争力を維持できるようにするために、EUは教育システムを最新化し、すべての領域で成人の教育と技能再教育に焦点を当てる必要がある。

[DW編集局]