2021年9月2日付けの米国環境保護庁（EPA）による標記記事の概要は以下のとおりである。

本日、EPAが公表した報告書「米国における気候変動と社会的脆弱性（Climate Change and Social Vulnerability in the United States: A Focus on Six Impact Sectors）」は、予測される気候変動の影響が米国民全体にどのように分布するかを考察した最も先進的な環境研究の1つであり、その新たな分析によると、気候変動による最も深刻な影響は、熱波、大気の質の低下、洪水、およびその他の影響に対する準備やそれからの回復が最も困難な、恵まれないコミュニティに不均衡に降りかかる。特に人種的および民族的少数派の地域社会は、気候変動の最大の影響に対して脆弱である。

本報告書の主な調査結果は以下のとおりである。
・本報告書で分析した6つの影響のすべてにおいて、黒人およびアフリカ系米国人は、気候変動による高い影響に直面すると予測される。
・ヒスパニック系やラテン系の米国人は、異常気温の影響を特に受けやすい建設業や農業など、天候に左右されやすい産業への従事率が高い。

今回の調査は、気候変動が米国の様々な集団、特に資源の乏しいコミュニティに及ぼす将来の影響を理解する上で、重要なマイルストーンとなる。今回の調査は米国本土に限定されているが、今後は、ハワイやアラスカなど、他の重要な地域のカバー率を高め、さらに影響を与える分野や社会的脆弱性の測定方法を検討していく予定である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]