[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立農業・食料・環境研究所(INRAE)
元記事公開日:
2021/09/07
抄訳記事公開日:
2021/10/27

有機農業の規模拡大の変化に向けて

Dossier de presse - Agriculture biologique : vers un changement d’échelle

本文:

2021年9月7日付国立農業・食料・環境研究所(INRAE)の標記発表の概要は以下のとおり。

欧州連合(EU)は2030年までに、農地の少なくとも25%を有機農業に充てることを約束しているが、この生産規模の変化をどのように支援するのか。今後さらに、世界的に50%以上の有機生産に移行させるにはどうすればよいのか。INRAEにおいて、有機農業は長い間の研究対象となっている。この報道発表文書では、考慮すべき範囲の多様性、作用すべきブレーキとレバー、すでに取得済みまたは取得中の結果を並べて示している。有機農業生産における規模の変化の問題に対応するために、集約が必要な事項である。

我々はしばしば、いわゆる「従来」農業とは対照的に、デフォルトで「有機」農業を化学物質を使用しない生産様式として定義している。しかし、有機農業はそれだけではない。生物学的・生態学的バランスの尊重に基づく方法により、食糧供給、環境保護、動物福祉の尊重、農村開発を組み合わせた農業管理と食糧生産のグローバルシステムである。有名な認証制度であるABマークに裏打ちされており、消費者の意向に強く左右される。ここで言う消費者とは、社会的需要が農場、業界、流通のラインを変えつつあるのは事実であるため、これまで以上に「消費行動者」である人々である。アジャンス・ビオ(Agence BIO)の調査によると、2020年には、フランス人の10人に9人以上が、その年の間に有機農業からの製品を消費したと述べ、13%が毎日消費しているとさえ言っている。

INRAE は現在、有機農業の領域で世界で最多の科学論文を発表している研究所である。これは、1980年代にこのテーマに関する取り組みを開始した先駆的な研究者のおかげである。今日、INRAEのすべての分野とすべての部門が連合する研究メタプログラムが進行中である。METABIOと名付けられ、有機製品の供給が国全体の過半数になるという仮説を検討する遠大な(メタ)プログラムである。実際、(有機農業が)世界の農業の50%以上になれば、農業・食料チェーン全体の根本的な変化以上のものが必要となるる。

このような研究仮説が、新たな研究課題を提起する。

● 標記報道発表文書の内容
・畑から食卓へ:健康と品質の精査
・移行ダイナミクスの鍵
・有機農業のマルチパフォーマンスを求めて

[DW編集局+JSTパリ事務所]