[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2021/09/03
抄訳記事公開日:
2021/10/28

複雑な沿岸ハザード問題解決のためのNSF助成

Protecting America's vulnerable and vital coastal zones: NSF announces awards to study coastal hazards and find new solutions

本文:

2021年9月3日付け、国立科学財団(NSF)による標記記事の概要は次のとおりである。

高まりつつある環境問題に直面している沿岸部コミュニティの強靭性を支援するために、NSFは、その「沿岸線と人々プログラム(Coastlines and People Program: CoPe)」で、2021年度に新たに2,900万ドルの助成を行った。沿岸地域が直面する災害を理解するには多くの分野からのインプットや洞察が必要である。CoPeの助成金により、複雑な沿岸問題に、地球科学者、社会科学者、生物学者、工学者が一緒になって対処する。

沿岸線は米国の経済、安全、幸福に欠かせないものである。米国人口の約40%が沿岸近くに住んでおり、その数は毎年増え続けている。沿岸地域は異常気象、海面上昇、沿岸洪水、津波、地滑り、有害藻類ブルーム、その他の家屋、企業、給水、電力網、交通インフラに被害を与える可能性がある自然災害の脅威に晒されている。

新しいCoPeの助成は、「研究と広範囲な参加のためのハブ(Hubs for Research and Broadening Participation)」に与えられるもので、沿岸地域が直面するハザードや問題に対処する多様で複数の機関が関与するプロジェクトを対象としている。ハブは、いくつかのグループが連携して研究に参加する機会を提供する。

この助成プロジェクトは、影響に対して最も脆弱な地域の人々との協力を育むことで、沿岸地域が直面するハザードに対処するための、問題解決型アプローチをとる。このようなコミュニティの多くは、歴史的にSTEM分野に含まれていなかったグループが組み込まれているが、上記のハブは、科学的問題の設計と選択に、ステークホルダーを関与させることで、参加を拡大させ、ステークホルダーの関与を高め、沿岸ハザード研究を成功させる。

プロジェクトは幅広く応用される沿岸問題に焦点を当てている。成果は、現実世界の複雑性に対処するもので、連邦政府のパートナー、地方自治体、沿岸コミュニティに役立つ。国際的には、CoPeは「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」で承認されている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]