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国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2021/09/07
抄訳記事公開日:
2021/11/02

NSFが北極研究への助成を拡大

NSF expands Arctic investment through the Navigating the New Arctic initiative

本文:

2021年9月7日付け、国立科学財団(NSF)の標記記事の概要は次のとおりである。

北極の気温は地球上のどの地域よりも早い速度で上昇しており、20~30年後に北極海で氷がなくなるとの予測もある中、NSFは、このような前例のない課題に正面から取り組むために、そのイニシアチブ、「新たな北極をナビゲート(NNA: Navigating the New Arctic)」の下、新たな助成を行う。

NSFは2021年度NNAプログラム助成の一部として、17のプロジェクトに資金を提供した。総額3,200万ドルで、38機関の96人の研究者、並びに学生、ポスドクに対して直接支援した。NNAプログラムは、社会、自然、構築環境にまたがる融合研究に焦点を置き、北極圏のコミュニティと有意義に関与する可能性のあるプロジェクトを支援する。

この賞には、NSFが従来から実施している研究・計画助成金も含まれており、様々な分野やコミュニティからなる融合研究チームを支援している。今年度のNNAプログラムでは、北極全体の都市部の強靭性を研究する初の共同研究賞も設けられた。その助成プロジェクトの重要なテーマは、北極圏コミュニティの食料安全保障のための革新的な道筋の理解、地域における海事活動の増加とそのリスクのモデル化、カリブーの群れに起こっている変化やカリブーに依存するコミュニティへのインパクトの検証、気候変動による河川などの淡水資源の改善、などである。

2017年にNNAはNSFの「将来のNSF投資のための10のビッグアイデア」の一つに認定された。分野融合により複雑な問題の解決を目指す研究(convergence research)により、この新たな助成プロジェクトは、自然環境、人工環境、社会システムに影響を与える問題に協力して取り組むことを支援するというNNAの全体的な目標に沿っている。また、今年NNAプログラムでは、STEM労働力促進のためのプロジェクトも支援している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]