[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2021/09/09
抄訳記事公開日:
2021/11/04

NIHが機能に対するゲノム変異の影響の研究推進に1億8,500万ドルを拠出

NIH providing $185 million for research to advance understanding of how human genome functions

本文:

2021年9月9日付けの米国国立衛生研究所(NIH)による標記発表は以下のとおり。

NIHは、「機能に対するゲノム変異の影響」(IGVF)コンソーシアムに、5年間で約1億8,500万ドルの資金を投入する。このコンソーシアムは、国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)によって創設され、資金支援を受けてきたものである。

NHGRIは、米国の30の研究サイトに25の助成金を提供する。IGVFコンソーシアムの研究者たちは、ゲノム変異がヒトゲノム機能をどのように変異させるか、そしてそのような変異がヒトの健康と病気にどのように影響するかを理解するための研究を行う。

異なる2人の間のゲノム配列は99.9%以上一致するが、この0.1%の違い(すなわち、我々のDNAを構成するAs、Cs、Gs、Tsの交互の順番の違い)が、環境とライフスタイルと組み合わされ、最終的に人の全体的な身体的特徴と病気のリスクを形成する。研究者は、数千の疾患関連を含む、世界中で異なる数百万のヒトゲノム変異体を特定してきた。実験方法と高度なコンピューターモデルを統合することにより、IGVFコンソーシアムは、ゲノム内のどの変異体が健康や病気に関連するかという、臨床医にとって非常に重要な情報を特定する。

IGVFコンソーシアムは、彼らの研究で使用された結果とアプローチのカタログを作成するが、こうしたすべての情報は、ウェブポータルを介して研究コミュニティに公開され、将来の研究プロジェクトを支援する。
疾患に関連するゲノム変異体は何千もあり、各変異体を個別に、また各生物学的設定において操作することは不可能であるため、コンソーシアムの研究者は、ゲノム機能に対する変異体の影響を予測するための、計算モデリングアプローチも開発する。

IGVFコンソーシアムには、機能特性評価センター、規制ネットワークプロジェクト、マッピングセンター、データおよび管理調整センター、および予測モデリングプロジェクトの5つの部門がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]