[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2021/09/09
抄訳記事公開日:
2021/11/08

NSFが新たな科学技術センターを設立

New Science and Technology Centers to address vexing societal problems

本文:

2021年9月9日付けの米国国立科学財団(NSF)による標記発表は以下のとおり。

本日、NSFは、メカノバイオロジーから素粒子物理学、気候変動に至るまでの分野で野心的かつ複雑な研究を進めるための6つの新しい科学技術センターの設立を発表した。NSFの科学技術センターは、何十年もの間、細胞生物学を変革し、科学分野を統合して加速器の能力を強化させ、原子1個の活動を観察する能力を提供することでリアルタイム機能撮像に革命をもたらしてきた。

これらのセンターは、新たな科学分野の確立と、科学および社会に幅広い影響を与える可能性のある革新的技術の開発に焦点を当てる。特に、新興のSTEM分野に光を当て、世界的に競争力のあるSTEMインフラを構築し、一般の人々に画期的な科学を紹介するためのアウトリーチ活動を実施する。

6つの科学技術センターは、以下のとおり。

「微生物環境における化学物質動態センター(NSF Center for Chemical Currencies of a Microbial Planet)」
分析科学およびデータサイエンスの最近の進歩を活用し、新しい海洋サンプリング技術とオープンサイエンスの枠組みを取り入れ、教育者と政策立案者を関与させて日常生活に影響を与える海洋生態系やその他の微生物叢を支える化学物質・プロセスについて、より深い理解と認識を促進させる。

「オンデマンド・現代オプトエレクトロニクス物質統合センター(NSF Center for Integration of Modern Optoelectronic Materials on Demand)」
現代の情報技術社会にとって非常に重要な、光を生成・感知・制御する新たなオプトエレクトロニクス物質、装置、およびシステムを開発する。

「人工知能と物理学による地球学習センター(NSF Center for Learning the Earth with Artificial Intelligence and Physics)」
気候科学とデータサイエンスを統合して気候モデリングの不確実性の幅を狭め、部門横断的機関やコミュニティのパートナーシップを通じて直接的に社会に影響力のある、より正確で実用的な気候予測を提供する。

「最古の氷探査センター(NSF Center for Oldest Ice Exploration)」
地球上で最も古い氷を発見して回収することにより、地球の気候システムに関する現行の理解を変革することを目的とする。

「リンの持続可能性のための科学技術センター(NSF Science and Technologies for Phosphorus Sustainability Center)」
リンの制御、回収、再利用および管理のための基本的な科学的発見と、斬新で持続可能な技術と実践の開発を加速する。

「プログラム可能な植物システム研究センター(NSF Center for Research on Programmable Plant Systems)」
作物ベースの農業および、それに人間が依拠する活性植物システムの持続可能性、生産性、収益性を改善するための基礎的発見とプロトタイプのソリューションを生み出す。

上記センターは、STEMで過小評価されているグループの次世代の科学者や技術者を関与させ、採用し、維持し、指導する上で基本的な役割を果たす。これらのセンターは、新進気鋭のSTEM専門家、技術者や研究者が、彼らのキャリアを通じて発見と新しい知識を大胆に追求することを奨励する想像力に富む環境を提供する。

また上記センターは、高等教育機関、国立研究所、産業組織、官民団体とのパートナーシップ、および国際協力に従事する。

科学技術センターの統合パートナーシップ・プログラムは、1987年以来、国家的に重要な分野の研究を支援してきた。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]