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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2021/10/13
- 抄訳記事公開日:
- 2021/11/24
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より環境に優しく、平和で繁栄する北極圏に向けて、より強力なEUの関与
A stronger EU engagement for a greener, peaceful and prosperous Arctic
- 本文:
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2021年10月13日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
北極圏は、気候変動、原材料、地政学的影響の観点から、欧州連合(EU)にとって鍵となる戦略的重要性を有している。今回の政策文書は、これらの地政学、環境、経済、安全保障、社会の課題と機会に対応するものである。これらの課題を克服するための持続可能なアプローチに関してパートナーとの協力促進を目指している。
EUは、グリーンランドに欧州委員会の事務所を設立し、EUの対外関係における北極圏問題の注目度を高める。EUのファンディングは、北極圏住民の利益のために、北極圏のグリーン移行を推進することにも向けられる。
国連気候変動会議(COP26)に先立ち、世界的な気候変動対策を支援するために、政策文書では石油、石炭、ガスを地中に残すことを求めている。
● 安全、安定、持続可能で、平和で繁栄する北極圏
気候変動は、北極圏が直面している最大の脅威である。前例のない危機的水準に達している。EUはこの闘いの世界的リーダーであり、その役割を全面的に果たすことで、世界的な責任を引き受ける用意がある。COP26に先立ち、新気候法と欧州グリーンディール提案パッケージに規定されているように、2050年までに気候中立を実現し、2030年までに温室効果ガス排出量を55%削減するという目標を通じてである。北極圏の温暖化は世界の他の地域に計り知れない影響を及ぼしており、それに対応するために緊急の気候変動対策を必要としている。
一連の立法案を伴う欧州グリーンディールは、科学、イノベーション、地域投資を通じて支援される、持続可能なブルーエコノミーに対するEUの新しいアプローチと併せて、EUの北極圏取り組みの中心となる。
EUは、次のような主要な目標を持って、北極圏への取り組みをさらに強化する。
・外部との接触において北極圏の問題を提起し、地域協力を強化し、新たな安全保障上の課題を監視・予測することにより、北極圏の安全と安定を維持するために、平和的かつ建設的な対話と国際協力に貢献する。
・気候変動と環境悪化がもたらす生態学的、社会的、経済的、政治的影響に対処するために強力な措置を取る。環境法制化、黒色炭素や永久凍土層融解に対する協調対策、北極圏を含む地域での石油、石炭、ガスの地中への残留推進により、北極圏をより強靭なものにする。
・先住民、女性、若者のニーズに特に重点を置き、ブルーエコノミーなど未来志向の雇用に投資することで、現在の住民および将来世代の利益のために、北極圏の包括的・包摂的・持続可能な開発を支援する。 [DW編集局]