[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
技術アカデミー
元記事公開日:
2021/09/28
抄訳記事公開日:
2021/11/26

中学における技術教育

L'ENSEIGNEMENT DE TECHNOLOGIE AU COLLÈGE (COMMUNIQUÉ DE PRESSE)

本文:

2021年9月28日付技術アカデミーの標記報道発表の概要は以下のとおり。

フランス技術アカデミーは、その最新の報告書の中で、現在中学において提供されている技術教育の現状を分析している。技術や技術セクターについて、初めてその概要を説明するこの教育は、技術の対象と役目を理解し、若者が将来の方向を決める上で決定的な意味を持つ。

技術が我々の社会と経済を変革し、人類の未来への鍵を握る可能性がある一方で、生徒と保護者および教師の両方にとって、教育はほとんど価値がないか、あるいは価値が下がっている、と報告書は述べている。この状況は、歴代の教育政策の単なる継続に起因するだけでなく、学問分野の文化的階層にも起因する。有用でやりがいのある職業につながり、その増大する需要が十分にカバーされていないにもかかわらず、上記状況が、この分野が必須でない分野として認識されることにつながっている。

複数のインタビューに基づいて実施された状況分析の後、技術アカデミーは、まず変革されたことのないこの分野のプログラムに取り組み、若者や技術セクターにとって不利なこの状況を改善するために、いくつかの提言を行っている。これらの提言の中で、最も重要なものを次に挙げる。

  • 中学修了資格試験(国家ディプロマ:DNB)の各年次セッションで技術テストを導入する。
  • 女子生徒(中学生)には細心の注意を払うこと。特に創造性、組織力、プロジェクトマネジメントなど、貢献度を評価し、自信を与え技術に関する彼らの不安を取り除く。
  • 持続可能な開発目標のように、人文社会環境に関わる目標に相応するような技術活動を優先的に行う、または地域の共感が得られるトピックに焦点を当てる。・技術教育を学問分野に遭遇するための優先的な「場」にすることで、他の教育コース(数学、物理学)で取り上げられる理論的概念(具体性が不足していて一体的理解が困難な場合がよくある)に実用的な意味を与える帰納的アプローチに適したものとする。2つの専門分野(数学/技術、物理学/技術)での教師のトレーニングは、この点でプラスになる。
  • 技術系教師向けの継続的な技術・教育トレーニングを強化する。トレーニング施策に、理論的なものだけでなく、実践的な方向性(実現・製造プロジェクトの実施など)を与えるように注意すること。
  • 国民教育省とフランスの地方行政区画との間の従来の枠組みの中で、技術ラボの最小標準構成を定義する。
  • 中学とそのエコシステム(企業、研究所、地方自治体)の関係者との関係を構築して、解決すべき地域の問題や地域と協力して実行されるプロジェクトを提供する。どちらも生徒をより適切に動員可能である。このような関係が、エコシステム関係者の関与につながる。
  • 学校生活全体を通じて、分野名は明確に同じ方法で付けた方が、より認識されやすいため、技術中心の授業では、小学校、中学校、高校を通じて、分野名は同じ名前を付ける。

これらの提言に加えて、テクノロジー教育の内容は、今後の中学校のカリキュラムの変更に伴い、他の教科との連携に注意しながら見直していく必要がある。

[DW編集局+JSTパリ事務所]