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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2021/09/24
- 抄訳記事公開日:
- 2021/12/01
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クアッド首脳会談の概況
- 本文:
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2021年9月24日付けの大統領府による標記発表は以下のとおり。
バイデン大統領は、オーストラリアのスコット・モリソン首相、インドのナレンドラ・モディ首相、および日本の菅義偉首相をホワイトハウスに招き、クアッドとしては初の対面形式の首脳会談を開催した。首脳らは互いの絆を深め、21世紀の課題に対する実践的な協力を進める意欲的なイニシアチブを打ち出した。イニシアチブには、安全で効果的なワクチンの生産と調達の推進によるCOVID-19パンデミックの収束、高水準のインフラの推進、気候危機との闘い、新興技術、宇宙、およびサイバーセキュリティに関する提携、そして次世代才能の育成強化が含まれている。
各課題への取り組みは以下のとおり。COVIDと健康:
クアッド首脳らは、4か国を含めた世界中で、生命と生活に対する最も差し迫った脅威がCOVID-19パンデミックであることを認識する。インド太平洋と世界における安全で効果的なワクチン供給への支援を約し、2022年末までに10億回分以上のCOVID-19ワクチンを生産できるように製造拡大を図る。ASEAN、COVAX、他の関連組織等と調整し、WHO、COVAX、Gavi、CEPI、およびUNICEFによる救命活動の強化と支援を継続する。インフラ:
デジタル接続、気候、保健と健康安全保障、および男女平等インフラに焦点を当てたインフラパートナーシップである「より良い世界の復興(B3W)」についてのG7発表に基づき、専門知識、能力、影響力を結集して、地域のインフラ・イニシアチブを強化する。また、インド太平洋における重要なインフラ需要を満たすための新たな機会を特定する。気候:
「気候変動に関する政府間パネル」による最新の調査報告書の結果に対する深刻な懸念を共有する。緊急の対策として、国家排出量と再生可能エネルギーに関する2030年気候目標への取り組みを含む気候野心、クリーンエネルギーのイノベーションと展開、そして適応、回復力、および準備の各テーマに焦点を当てる。追加の取り組みとして、天然ガスセクターでのメタンの削減や、責任のある強靭なクリーンエネルギー供給網の確立に向けた取り組みがある。人材育成:
次世代の指導者となる学生に対し奨学金を設ける。本奨学金は、米国、日本、オーストラリア、インドの科学、技術、工学、および数学に優れた修士および博士課程の学生に与えられ、米国の主要なSTEM大学院大学における学位取得を目指す。毎年、各国から25人ずつ年間100人の学生を後援する。重要・新興技術:
開放的で、アクセス可能で、安全な技術エコシステムの育成を目的とする技術原則を発表し、民主的価値観と普遍的人権の尊重によって形成される重要かつ新興の技術を前進させる新たな取り組みを開始する。具体的には、Quad原則声明の発表、技術標準コンタクトグループの設置、半導体サプライチェーン・イニシアチブの立ち上げ、5Gの展開と多様化の支援、合成生物学、ゲノム解析、および生物製造などの先端バイオ技術を初めとした新興技術の動向調査等である。サイバーセキュリティ:
サイバー脅威に対する重要インフラの強靭性を強化するため、日米豪印サイバー上級グループを立ち上げ、標準、ソフトウェア、労働力および人材育成、デジタルインフラ、セキュリティ等の取り組みを推進する。宇宙:
気候変動への監視・適応、防災対応等に焦点を置いた宇宙分野の協力を推進するため、衛星データを共有し、相互利益となる宇宙利用および技術を支援し、宇宙環境の長期的な持続可能性を確保するための規範やガイドライン等を協議する。 [DW編集局+JSTワシントン事務所]