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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 医療・福祉ケアに係るデータ保護・監督委員会(NDG
- 元記事公開日:
- 2021/10/04
- 抄訳記事公開日:
- 2021/12/02
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データ主導のイノベーション:機密性と透明性が、医療・福祉ケアの未来に対する国の明るいビジョンを支える理由
- 本文:
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医療・福祉ケアに係るデータ保護・監督委員会(NDG:英国保健省の諮問機関)の2021年10月4日付標記発表の概要は以下のとおり。
データ・イニシアチブの成功は、透明性への取り組みと、人々にとって最も重要なことを積極的に理解することによって支えられる。専門家や一般の人々は、情報を得て関与することを望み、自分たちがどのような選択肢を持っているかを理解したいと考えている。これらの条件が満たされない場合、計画・研究プログラム向けの一般診療データの最近の遅延やリセットなどの状況が見られる。
これらの基礎的条件は非常に重要であるため、2020年12月に デイムFiona Caldicott が新たなCaldicott 原則の中に収めている:原則8:患者やサービス利用者に、彼等の機密情報がどのように使用されるかについて、通知すること
患者やサービス利用者に不測の事態が生じないように、さまざまな措置を講じる必要がある。そうすることで、機密情報がどのように、なぜ使用されるのか、そしてこれについてどのような選択肢があるのかについて、彼等は明確な予想をすることができる。これらの手順は用途によって異なる。少なくとも、アクセス可能で関連性のある適切な情報の提供を含める必要がある。場合によっては、より多くの関与が必要になる。
原則8 はまた、重大な懸念のある「警察・犯罪・判決・裁判所法案」についての助言にも反映されている。同法案は、地域での深刻な暴力の防止・軽減に協力する義務のために、警察・その他の特定当局に情報を開示する義務を臨床職務グループ(CCG)に課している。この義務では、守秘義務に違反することなく遂行することができると述べている。深刻な暴力への対処は重要であるが、この新しい義務が患者の守秘義務、ひいては国民の信頼にもたらすリスクや危害に向き合い、対処することが不可欠である。
人々にとって、警察や他機関に情報がどのように使用されるかを心配することなく、自分のケア責任者と信頼の下に情報共有できることが必要である。また、医療専門家にとって、ケアの一環として日常的に収集する機密情報が、ケアに悪影響を与える可能性のある方法や、患者に対する専門的・倫理的な義務や責務に抵触する方法で使用されないと信頼できる事が必要である。
データの使用に関する決定には、合法性に関する専門的なデータ保護の知識だけでなく、何が倫理的で正しいかを検討し、実践的かつ専門的な知恵と経験が必要であり、潜在的な利益と将来の危害回避とのバランスを取る必要がある。データ駆動型技術の勢いが急速に高まり、データをリンクする機会が政府や社会全体で進化するにつれて、データの能力を活用しようとする人々は楽観的かつ慎重に進めることが重要である。信頼性の義務が医療とケアにおいて非常に重要である理由を見失ってはならない。
[DW編集局]