[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
財務省
元記事公開日:
2021/10/27
抄訳記事公開日:
2021/12/07

英国財務省による秋季財政報告書(2021年10月)の概要

Budget and Spending Review – October 2021: What you need to know

本文:

2021年10月27日付財務省の標記発表では、財務大臣の秋季財政報告における予算の概要が示されている。その中から科学技術・イノベーションに直接関連すると考えられる部分を抜粋・要約して以下に記す。

● 成長への投資と企業支援

2024₋25年度までに英国の研究開発への公共投資は200億ポンドに増加し、実質ベースで約4分の1の増加に相当する。

最新の研究方法を支援するために、研究開発税控除の改定を計画する。

AIとデータサイエンス修士・職能指向の転換課程で利用可能な奨学金を2倍にし、過小評価グループに2,300万ポンドを投資する。

Innovate UK の中核プログラムへのファンディングを増やすことで、民間の研究開発投資を支援する。これは2024〜25年までに年間約10億ポンドに達し、2021〜22年よりも年間3億ポンド以上増加する。

国家宇宙戦略に定められているように、商用小型衛星打ち上げのリーダーになることを目的として、英国が2022年に欧州から軌道にロケットを打ち上げる最初の国となるためのファンディングを行う。

年間投資手当の一時的な100万ポンドのレベルを2023年3月まで延長し、英国全土の企業による投資・成長を支援するために、より多くの先行支援を提供する。

ビジネスレートの負担を軽減して、英国での投資を支援するべく、政府はビジネスレート乗数をさらに1年間凍結し、5年間で46億ポンド相当の減税を行う。

適格なグリーン投資に対する税の軽減措置や、新たなビジネスレート改善による軽減措置など、英国での新規の投資インセンティブは合計で約7億5,000万ポンドに上る。

● より環境に配慮した復興

輸送の脱炭素計画の支援に61億ポンド。ゼロエミッション車の数を増やし、より環境に優しい飛行機と船の開発を支援し、バス、自転車、徒歩での移動をより多く奨励する。

大規模原子力プロジェクトが、お金に見合う価値と認可を条件として、今国会で最終的な投資決定に至る場合、最大17億ポンドの政府による直接ファンディングを行う。政府は、Sizewell C原発プロジェクトについてEDF社と活発な交渉を行っている。

世界をリードする洋上風力発電セクターに3億8,000万ポンドを投じ、ティーズサイドやハンバーの洋上風力発電港など、英国全土で雇用と投資を後押しする。

テンポイント計画で発表された、10億ポンドのネットゼロ・イノベーション・ポートフォリオに対するファンディングを確認する。これは、市場に近い低炭素技術イノベーションのほか、先進原子力基金が3億8,500万ポンドで開発している次世代の小型で高度なモジュール型原子炉技術を加速させる。

建物の脱炭素化に39億ポンド。これには、数万の低所得世帯がエネルギー料金を削減しながらネットゼロに移行するのを支援する18億ポンドが含まれる。

「気候に適合する自然(Nature for Climate)」基金にさらなる6億2,500万ポンド、2024〜25年までに7億5,000万ポンド以上の総支出を確保することで、2025年までに英国に毎年少なくとも7,500ヘクタールの樹木を植え、3万5,000ヘクタールの泥炭地を回復するという取り組みを実現できる。

2030年までに生物多様性の衰退を食い止めるという英国の世界をリードする目標を支援するために、英国の自然の保護・回復に2億5,000万ポンド以上を充てる。

[DW編集局]