[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2021/10/05
抄訳記事公開日:
2021/12/15

フランシス・コリンズNIH長官が退任

Francis Collins to step down as director of the National Institutes of Health

本文:

2021年10月5日付けの米国国立衛生研究所(NIH)による標記記事の概要は以下のとおりである。

フランシス・コリンズ博士は本日、NIH長官としての任期を年内に終了することを発表した。コリンズ博士は、12年以上にわたり、3人の米国大統領に仕え、大統領任命のNIH長官としては、最も長く務めている。

医師であり遺伝学者でもあるコリンズ博士は、2009年8月17日、オバマ大統領によって任命され、米国上院で承認された後、第16代NIH長官に就任した。2017年にはトランプ大統領から、2021年にはバイデン大統領から続投を要請された。コリンズ博士は、NIH長官就任前の1993年から2008年まで、米国国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)の所長を務め、(2003年4月にヒトDNA配列の解読を行った)国際的なヒトゲノムプロジェクトを指揮した。

コリンズ博士は、その親しみやすい語り口で知られており、NIH研究に対する議会の超党派的な支持を広く集め、その12年間の任期中でNIHの予算は2009年の300億ドルから2021年には413億ドルと38%増加した。また、コリンズ博士は、アルツハイマー病、癌、オピオイド使用障害、希少疾患、COVID-19パンデミックなど、米国人が直面している健康問題に取り組むために、基礎科学から特定プロジェクトに向けたトランスレーショナルサイエンスに至るまで、大胆なイニシアチブを提案・確立した。

政策面では、セクシュアルハラスメントや構造的な人種差別に対処するための政策や活動を強化し、臨床試験における説明責任と透明性を高め、幅広いデータ共有を実現した。また、初期段階の研究者を支援し、競争の激しい研究環境の中で彼らが成功できるよう、多くの政策を実施してきた。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]