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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 新華通信社
- 元記事公開日:
- 2021/09/28
- 抄訳記事公開日:
- 2021/12/21
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中国・人材育成に関する習近平国家主席の演説
- 本文:
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中国の中央人材工作会議が9月27日から28日まで北京で開催された。習近平中国共産党中央総書記・国家主席・中央軍事委員会主席が会議に出席するとともに重要演説を行い、共産党による人材管理、世界の科学技術の最前線、経済の主戦場、国の重大なニーズ、人民の生命・健康に目を向けることを堅持し、新しい時代の人材による強国戦略を徹底して実行し、全方位で人材を育成・導入・活用し、世界の重要な人材センターとイノベーションハイランドの建設を加速しなければならないと強調した。2035年に社会主義国近代化の基本的実現に向けて、人材支援を提供し、2050年の強力な近代的社会主義強国の全面的実現のための人材の基礎を築くと強調した。
習近平氏の演説の要旨は次のとおり。
現在、我が国は近代的社会主義国家を全面的に建設し、第2の百年奮闘目標に向けて新たに踏み出しており、我々は歴史上の如何なる時期と比べても、中華民族の大きな活性化という壮大な目標の実現にさらに接近しており、また歴史上の如何なる時期と比べても、人材をより渇望している。我々の目標を実現するためには、ハイレベルの技術的自立がキーポイントとなる。総合的国力の競争は、とどのつまり人材の競争である。人材は一つの国の総合的国力を量る上での重要な指標である。国の発展は人材に依存依拠し、活性化は人材に依存する。我々は必ず憂患意識(党を憂い、国を憂い、民を憂う意識)を強め、人材の自主育成をさらに重視し、人材資源の競争優位性の確立を加速しなければならない。
党の第十八回大会以来、党中央は、なぜ人材強国を建設するのか、何が人材強国なのか、人材強国をどのようにして建設するのかといった重大な理論と実践の問題に掘り下げた回答を行い、一連の新たな理念、新たな戦略、新たな措置を提起した。1つは、人材育成実施に対する党の全面的指導を維持すること、2つ目は、人材が発展をリードするとの戦略的地位を順守すること、3つ目は、世界の科学技術の最前線に目を向け、経済の主戦場に目を向け、国の重大なニーズに目を向け、人民の生命・健康に目を向けることを堅持すること、4つ目は、人材を全方位で育成し、上手に利用することを守ること、5つ目は、人材発展の体制・メカニズムの改革を深化させることを固守すること、6つ目は、天下の英才を集めてこれを用いることを堅持すること、7つ目は、人材を識別し、人材を愛し、人材を敬い、人材を用いる環境を構築することを主張すること、8つ目は、科学者精神を大いに発揚することを固辞することである。上記の8項目は、我が国人材事業の発展の法則性に対する我々の認識の深化であり、終始堅持するとともに絶えず豊かにし、発展させなければならない。
世界の重要な人材センターとイノベーションハイランドの建設を加速するためには、必ず戦略的イニシアティブを把握し、トップレベルの設計と戦略・計画を立派に行わなければならない。我々の目標は、2025年までに、社会全体の研究開発経費の投入を大幅に増やし、科学技術革新の主力建設で大きな進展を勝ち取り、最高レベルの科学者の集中レベルを大幅に高めること。また人材自主育成能力を絶えず増強し、重要な核心的技術の分野において多くの戦略的な科学技術人材、一流科学技術のリーダー的人材およびイノベーション集団を擁することである。2030年までに、質の高い発展に適応した人材制度・体系を基本的に形成し、イノベーション人材の自主育成の能力を顕著に高め、世界の優秀な人材に対する吸引力を顕著に増強する。同時に主な科学技術の分野において多くのフロントランナーを擁し、新興先端学際分野において多くの開拓者を擁する。2035年までに、中国は多くの分野の人材競争において相対的優位性を形成し、国の戦略的科学技術力とハイレベル人材の陣容で世界の最前列に立つ。
世界の重要な人材センターとイノベーション高地の建設を加速するためには、戦略的な配置を行う必要がある。総合的に考慮して、北京、上海、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア)においてハイレベルな人材高地を建設することができる。一部のハイレベル人材が集中する中心都市も、人材を吸収および集中するプラットホームを建設することに力を入れる必要がある。また人材発展の体制・メカニズムの総合的な改革を展開し、国の質の優れた資源を集中して多くの国立研究所と新型研究開発機関の建設を重点的に支援し、国際的な科学計画を立ち上げ、人材のために国際的に一流のイノベーションプラットホームを提供し、戦略的サポートポイントの形成を加速しなければならない。
人材体制・メカニズムの改革を深化させていく。ニーズと実際に基づいて、雇用主に権限を十分に与え、人材の育成、導入、使用における雇用主の積極的役割を発揮させる。雇用主は主観的イニシアティブを発揮し、サービス意識と保障の能力を強め、有効な自己規律と外部監督メカニズムを確立し、下に委譲した権限が引き継がれ、うまく用いられるのを保証する。雇用主は主体としての責任を確実に立派に履行しなければならず、与えられた権限をうまく用いることができないもの、責任の履行ができなかったものについては、責任を問われる。人材のために積極的に規制を緩和し、人材管理制度を完全なものとし、人材を根本とし、また人材を信任、人材を尊重、優遇、人材を包容することをやり遂げる必要がある。さらに大きな技術路線決定権、経費支配権、資源管理・調整権を科学者に付与すると同時に、健全な責任制と誓約書制度を確立し、科学研究プロジェクトが成果を収めることを保証する。科学研究経費の管理改革を深化させ、人材計画を最適化、整合し、人材が落ち着いて学問を行い、研究を行い、多くの成果を出せるようにする。人材評価体系を完璧なものとし、イノベーションの価値、能力、貢献を重視する人材評価体系の確立を加速し、科学技術人材が研究およびイノベーションに専念するのに有利な評価体系を形成するとともに実施しなければならない。
全力を挙げて戦略的な科学者を育成、使用し、実践の基準を堅持し、国の重大な科学技術任務を担うリーダーの中から深い科学的資質を有し、科学研究の第一線で長期奮戦し、視野が広く、先見性判断力、学際的理解能力、大規模な組織で指導能力が高い科学者を見つけ出す必要がある。長期的観点を堅持し、さらに多くの戦略的な科学者の潜在的資質を備えたハイレベルの複合型人材を意識して発見および育成し、その成長する姿を形成しなければならない。
多くの一流の科学技術をリードする人材とイノベーション集団を作り上げ、国立研究所、国家科学研究機関、ハイレベルの研究型大学、科学技術リーディング企業の国としての役割を発揮させ、国の重点分野、重点産業をめぐって、産学研の協同研究を組織する。リーダー人材発見メカニズムとプロジェクトチーム選別メカニズムを最適化し、リーダー人材に対して人材の陣容に対応した、科学研究の条件に対応し、管理メカニズムに対応した特殊な政策を実行する。規模が広大な青年科学技術人材の陣容を作り上げ、国家戦略人材の力を育成する政策の重点を青年科学技術人材に置き、その人材が大きな任務を担い、主役となることを支援する。多くの卓越したエンジニアを育成し、党を愛し、国に奉仕し、仕事を敬い、際立った技術イノベーション能力を有し、複雑な工学的問題を上手に解決するエンジニアの陣容を構築するようにする。大学・専門学校と企業の2つの積極性をうまく動員し、産学協働の深い融合を実現する。
全力を挙げて人材を全方位で育成、導入し、上手に利用していく。我が国は世界的に規模が最大の高等教育体系を擁し、諸項目の事業が発展する広々とした舞台を有しており、多数の優秀な人材を次々と絶えることなく育成し、生み出すことが完全に可能である。同様に科学技術の大家を育成することも十分に可能である。我々はこのような決意と自信を持たなければならない。人材自主育成の道を立派に歩まなければならず、高校(総合大学、単科大学、高等専門学校)、特に“双一流”(世界一流大学・一流学科)は基礎研究人材育成の主力としての役割を発揮し、基礎学科の人材の育成を全方位で計画し、多くの基礎学科育成組織を建設し、ハイレベルの複合型人材を育成していく。基礎研究人材特別プロジェクトを制定、実施し、多くの自然科学の分野において突出した成績を収めかつ明らかなイノベーション潜在能力を有する青年人材を長期間安定してサポートする。多数の哲学者、社会科学者、文学者、芸術家等の各方面の人材を育成し、養成する。また人材の国際交流を強化する必要がある。各種タイプの人材を上手に活用し、緊急に必要とされる特殊な人材に対しては、特殊な政策がなければならず、完全無欠を求めて、厳しく人を批判してはならず、年功序列を重んじてはならず、すべて一つの物差しで測ることをしてはならず、真の才能と学識を有する人材の英雄が能力を発揮できる場所をもてるようにする。信任を基礎とした人材使用メカニズムを確立し、失敗を許容し、失敗に寛容であり、科学技術のリーダー的人材が指揮をとって闘いに向かうよう奨励する。各種タイプの人材のために事業創出のプラットホームを構築し、知識、技術等のイノベーション的要素、価値を十分に具現化した収益分配メカニズムを構築し、事業が人材を激励し、人材が事業を成し遂げられるようにしなければならない。
[DW編集局]