[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2021/10/12
抄訳記事公開日:
2021/12/24

バイデン政権による気候情報と意思決定ツールの利用促進

FACT SHEET: Biden Administration Makes Climate Information and Decision Tools More Accessible

本文:

2021年10月12日付けの大統領府による標記発表は以下のとおり。
バイデン政権は、洪水、旱魃、山火事、猛暑、海岸侵食、その他の気候影響の激化に見舞われつつある個人やコミュニティに、アクセス可能で実用的な情報を提供するための政府全体のイニシアチブを立ち上げた。本イニシアチブは、
国内外での気候リスクへの取り組みに関するバイデン大統領の呼びかけに応えたもので、気候リスクの理解を深め、コミュニティがより良い準備を進めて、より強靭性を高めることを目的としている。

政府組織は一丸となり、すべてのコミュニティに強力な情報サービスを提供するための取り組みを開始した。猛暑のホットスポットや山火事の煙の影響を受けた地域を示すウェブ地図の作成を初めとして、本日発表された新たなリソースや省庁間戦略により、公務員やその他の関係者が、気候を考慮した意思決定を行うために必要な、科学やデータに基づく計画・対応ツールへのアクセスが可能となる。

こうした取り組みは、米国海洋大気局(NOAA)が主催する「気候と公平性に関する円卓会議」において紹介予定である。この円卓会議では、今夏に発生した大規模な洪水について、現場の声を聞くことに重点を置いている。コミュニティの利害関係者、州政府、地方政府、部族政府、地域自治体、および企業とのパートナーシップを引き続き強化することにより、バイデン政権は、連邦情報サービスが、進化するニーズ、特に恵まれないコミュニティのニーズに対応できるようにする。また、超党派インフラ投資法案(Bipartisan Infrastructure Deal)」と「より良い復興法案(Build Back Better Agenda)」を介して、輸送システム、住宅、水関連インフラ、および電力網全体における強靭性を構築するための歴史的な追加投資が提案された。

発表内容は以下のとおり。

気候情報へのアクセス改善を図るため人工知能(AI)を統合してリニューアルしたウェブサイト“Climate.gov”の立ち上げ。これにより、米国民は、気候解説者、世界気候データのダッシュボード、教育リソースへとさらに良くアクセスできるようになる。NOAAは、1億7,100万ドル超の新規気候研究助成金を設ける。またClimate.govでは、国立環境情報センター(NCEI)や地域気候センター(RCC)が提供する、一般的に要望が多い気候データやツールへのアクセスを提供する。

大統領府科学技術政策局(OSTP)、NOAAおよび連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、公衆向けの気候情報とサービスを全体的に拡大・改善するための報告書「公衆向けの気候情報とサービスを拡大および改善する機会」を公開。内務省(DOI)と行政管理予算局(OMB)が率いる連邦地理データ委員会によって作成された2番目の報告書「連邦、州、地方、部族の気候計画と強靭性を促進するための国家の地理空間機能の向上」では、地理空間データと地図作成ツールを強化して、気候計画に役立てる機会に焦点を当てている。

FEMAによる洪水リスク削減のための「全米洪水保険制度(NFIP)基準」の評価。NFIPの最小氾濫原管理基準は、1976年以降、大幅には更新されておらず、洪水と沿岸暴風雨の発生頻度および深刻度は増加しつつあり、10億ドル規模の被害事象が2020年末までに過去10年間と比較して50%上昇した。その費用の70%は過去3年間で発生している。FEMAは、利害関係者の意見を収集し、生命、家屋、および財産を守るための改訂を指示して、異常気象や気候関連災害に備えるコミュニティ・プロジェクトに対し約50億ドルの資金を支援した。

NOAAが支援してきたプロジェクトには、環境正義の推進、気候モデルの改善、海洋観測の利用と理解の推進、NOAAの気候モデリングを強化するための海洋観測の利用と理解の促進、および将来の洪水の影響やその他の沿岸ストレス要因に対する強靭性強化計画の推進が含まれる。国立科学財団(NSF)は、社会科学専門家行動ネットワーク(SEAN)を活用して、旱魃、洪水、沿岸、極度暑熱、および山火事に対する強靭性に関する国家気候タスクフォースの省庁間作業部会を支援してきた。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]