2021年10月20日付英国研究・イノベーション機構（UKRI）の標記発表の概要は以下のとおり。

「より安全な世界を目指すロボット」コンペティションの採択３プロジェクトは、人工知能（AI）を利用してデータを収集し、風力発電所を維持し、海底をより効率的かつ費用対効果良くマッピングする：
・環境発電と低電力人工知能（AI）コンピューティング
・自律型ロボット船団
・グーグルマップと同等の水中機能の開発

各プロジェクトは、UKRIの産業戦略チャレンジ基金（ISCF）から受ける450万ポンドのファンディングをシェアする。ネットゼロ技術センター、国防省、英国海軍の支援を受ける。

自律型水上ロボット船団と、GPSよりも正確な海中ナビゲーション・システムは、英国が沿岸海域をデジタル化できるようにするための、プロジェクトの2つである。これらプロジェクトは、エネルギー、自律機能、国防など幅広いセクターにわたって、英国のオフショア産業の成長を支援する。

気候変動対策、カーボン・ニュートラル、エネルギー転換の促進に加えて、このコンペティションの目的は、オフショア・エネルギー、水産養殖、深海鉱物探査、海上防衛など、多くのセクターに共通する課題に対処するために、オフショア海中運用のための次世代海中自律システムを開発することである。

● 海中マッピング

海底の改良型自律マッピング（SEAMless）プロジェクトは、GPSよりも正確な測位データを提供する Google マップ同等の海中地図の作成を目指している。

これは、洋上風力エネルギー産業の今後の成長を支援するための、水中ロボット技術と自律システムの進歩をサポートする。

SEAMless は、洋上再生可能エネルギー設備の的を絞った調査・検査や、石油・ガス施設の廃止措置を実施するために、外洋やインフラ近傍で稼働する。

このシステムは、洋上風力発電所全体をマッピングしてデジタルモデルを作成し、自律認識向上により、水中ロボットが安全に位置を確保して、ナビゲートできるようにする。

● 継続的なデータ収集

Demeter プロジェクトでは、自律型海中ロボットを使用して、高価でメンテナンス・エネルギー負荷の大きいインフラを要せずに、データを継続的に収集・分析する。

Demeterは、海中モニタリングの実施方法を、手動の高価な低頻度のデータ検索から、自動化された安価な高頻度のオンデマンドインテリジェンス検索に移行することを目的とする。
これにより、再生可能および再生不可能なオフショア資源の両方を利用することによるコストと環境への影響が軽減される。このプロジェクトはまた、海上監視など海上治安活動におけるさらなる応用の可能性を秘めている。

● ロボット部隊

Squads of Adaptive Robots（SoAR）プロジェクトは、自律型潜水艇（AUV）と、適応型ミッション計画が可能な AI部隊が監視する無人洋上機からなる部隊を提供する。これにより、洋上風力発電事業者は次のような目的で費用対効果の高い方法を利用できる：
・環境観測
・事故対応
・運用中、および廃止・放棄された構造物の監視

[DW編集局]