[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2021/10/13
抄訳記事公開日:
2022/01/05

NASEMが、子供のCOVID-19ワクチン接種についてのコミュニケーションに関する専門家提言を発表

When Talking to Parents About COVID-19 Vaccines for Children, Emphasize Safety, Encourage Speaking with Family Doctor, and Leverage Social Connections, Says New Expert Consultation

本文:

2021年10月13日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記発表は以下のとおり。

NASEMの新しい専門家提言は、「COVID-19ワクチンの接種について子供の保護者とコミュニケーションをとる際には、ワクチンの安全性と有効性を強調し、小児科医やかかりつけ医に相談することを勧め、保護者のソーシャルネットワークを活用することが重要である」と述べている。

COVID-19ワクチンは12歳未満の子供にはまだ認可されていないが、認可された場合、子供へのワクチン接種はCOVID-19の蔓延を抑える上で重要な役割を果たす可能性が高い。

保護者がワクチン接種の決断をする際の重要な要因として、ワクチンの副作用に関する懸念、ワクチンが子供にどれだけうまく作用するか、子供の年齢層における調査結果の有無、子供に対する医療提供者からの推奨、および保護者自身の調査が挙げられる。これらの要因に基づき同提言は、COVID-19ワクチンについて保護者と対話するための以下の戦略を強調している。

安全性と有効性の強調:
ワクチンに関する多くの質問に答えるため、進行中の科学的取り組みについて保護者に伝え、現在行われているワクチンリスク監視の取り組みを強調することで、一部の保護者の不安に対処する。また、12歳から17歳への臨床試験からの安全性データ、およびこの年齢層におけるワクチンからの重篤な有害事象が発生していないことの通知が有効である。提言によると、幼児の保護者の間では安全性への懸念が高まる可能性があり、臨床試験の厳格さや規制のプロセスの会話に注目し、今から彼らを関与させることが重要となる。

プライマリーケア提供者と話すよう保護者を奨励:
調査によると、かかりつけ医や他の医療提供者は信頼し得るメッセンジャーとなり、多くの場合、保護者にワクチン情報を伝える重要な経路となる。地域、州、および国家の指導者らは、これらの会話に従事する医療専門家にメッセージ事例やその他の資源を提供するとができる。提言では、COVID-19用のワクチン接種を奨励する大量の電子メールやテキストメッセージを作成して患者に送信するという医師向けのマニュアルを作成したカンザス州保健環境局が例として挙げられた。

保護者のソーシャル・ネットワークの活用:
保護者のソーシャル・ネットワーク、特に信頼でき、影響力があると見なされたコミュニティの会員を関与させることが重要である。これらのソーシャル・ネットワークには、家族、友人、同僚、ソーシャル・メディア・ネットワーク、メディア、および教会員が含まれる。

提言では、保護者のグループごとに異なるメッセージが必要とされているが、子供の予防接種で達成できること、すなわちCOVID-19を予防し、子供が健康リスクを冒すことなく対面で登校し、課外活動に参加できることに焦点を当てることからコミュニケーションを始めうるとしている。

以前は躊躇していた個人がどのようにワクチン接種率を上げているか、コミュニティでのワクチン接種が増えているかなど、ワクチン接種の肯定的な傾向に関するデータを人々に提示することも役立つ可能性がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]