[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2021/10/20
抄訳記事公開日:
2022/01/07

NIHが新型コロナウイルスの起源についての誤情報に関する声明を発表

Statement on Misinformation about SARS-CoV-2 Origins

本文:

2021年10月20日付けの米国国立衛生研究所(NIH)による標記声明の概要は以下のとおりである。

COVID-19パンデミックを引き起こしたSARS-CoV-2ウイルスの起源は、その努力にもかかわらず、今日まで特定されていない。これは珍しいことではない。ウイルスの起源を100%確実に確認するには、長くて複雑なプロセスが必要だからである。

残念なことに、明確な答えがない中で、誤情報や偽情報がその隙間を埋めており、その場合、良いことよりも悪いことの方が多い。NIHは、NIHが助成するEcoHealth Allianceから資金提供を受けた、武漢ウイルス学研究所(Wuhan Institute of Virology)における自然発生のコウモリコロナウイルスを理解するためのNIH支援研究についての記録を整理したいと考えている。発表されたゲノムデータや助成先からの文書を分析した結果、NIHの助成金を受けて研究された自然発生のコウモリコロナウイルスは、SARS-CoV-2とは遺伝的にかけ離れており、COVID-19のパンデミックを引き起こした可能性はないことを示している。これに反するいかなる主張も、明らかに誤りである。

これまでの科学的証拠は、SARS-CoV-2は自然界でのウイルスの進化の結果である可能性が高く、人間に直接、あるいは未確認の中間的な動物宿主を介して、飛び火する可能性を示している。

重要なのは、集中的な調査の結果、米国インテリジェンス・コミュニティの各機関が、このウイルスは生物兵器として開発されたものではないことに同意し、ほとんどの機関がSARS-CoV-2は遺伝子操作されたものではない可能性が高いと評価したことである。

NIHをはじめとする公衆衛生・科学機関は、今後の事態を防ぐために、明確な答えを得ることに強い関心を寄せている。この取組みには憶測を排した科学的な協力が必要であり、特に中国の協力がなければ、SARS-CoV-2の起源を特定することは不可能である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]