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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/10/12
- 抄訳記事公開日:
- 2022/01/07
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グリーン水素が欧州のアジェンダ・プロセスで緊急課題として浮上
- 本文:
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2021年10月12日付ドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。
グリーン水素は、産業界などエネルギー電化ができない分野でのエネルギー転換に貢献する。これに限らずこの将来のエネルギー源は、輸送部門やインフラ部門などでもますます重要になっている。グリーン水素経済を加速するために、欧州全土のアジェンダ・プロセスで急を要する研究課題として、議題に上っている。
2021年10月7日、8日、グリーン水素の輸送とインフラに関するワークショップがベルリンで開催された。このイベントは、グリーン水素に関する研究イノベーション(R&I)についての、いわゆるアジェンダ・プロセスにおける3部構成のスタートとなるものである。このアジェンダ・プロセスこそが、新欧州研究圏(ERA)のパイロット・イニシアチブの不可欠な部分である。
欧州レベルでの緊急研究課題の特定:
グリーン水素経済を加速するために、欧州レベルで最も急を要する研究課題を議題として載せることが必要である。なぜなら、グリーン水素は、産業界など、エネルギーを電化できない分野での、エネルギー転換や脱炭素化に貢献するからである。水素は輸送部門においても有効な検討対象になり得る。アジェンダ・プロセスでは合計4つのテーマを取り扱う。
1)輸送とインフラ(ドイツが調整)、
2)市場の活性化(オーストリアが調整)、
3)生産(イタリアとブルガリアが調整)、
4)共通テーマとしての規制・調整と標準。
3つのテーマ別ワークショップで最初の課題と緊急性を話し合うために、シードペーパー(ポジションペーパー)が事前に準備され、それに対して10月1日までに全欧州のオンライン公開会議で、利益関係者や関心のある市民からのコメントが得られた。
最初の成果:
欧州諸国の様々な状況を考慮に入れることが、課題であることが明らかとなった。相互のノウハウを共有し、様々な活動を並行して進めながら意識的に調整する必要がある。技術と枠組みについても、同時に取り組み、水素経済は欧州連合(EU)全域で構築されなければならない。
共通の枠組みと開放性:
適切な法的、経済的、社会的な枠組み条件の迅速な確立は、グリーン水素の利用において重要な役割を果たす。共通のデータベースを構築し、共通の枠組みをつくる必要がある。ここでのモットーは、開放性と自由なアクセスが重要な付加価値となるということである。
次のステップ:
3つのテーマ別ワークショップの成果は、戦略的研究とイノベーション・アジェンダ(SRIA)にまとめられ、2021年12月に発表の予定である。その後、理論を実践に移すために、SRIAに基づいたロードマップを策定することである。 [DW編集局]