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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2021/11/15
- 抄訳記事公開日:
- 2022/01/20
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量子コンピュータの広範囲な普及に向けたマイルストーン
- 本文:
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2021年11月15日付ドイツ連邦教育研究省(BMBF)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。
量子テクノロジー分野の国際競争が本格化している。ドイツと欧州連合(EU)は、技術主権を確保するために、全力を尽くす必要がある。このためBMBFが助成するプロジェクト「エクサスケールHPCによる量子コンピュータ拡張(Q-Exa)」(Quantencomputer-Erweiterung durch Exascale-HPC)が開始された。
ドイツとフィンランドのスタートアップIQMが率いるこの研究共同体は、超伝導回路に基づく量子コンピュータを提供し、それをガルヒング(ミュンヘン)のバイエルン科学アカデミーにあるライプニッツ・コンピューティング・センター(LRZ)に統合・設置する。
有望な量子コンピュータへの道を拓く:
プロジェクトの開始に際してカルリチェクBMBF大臣は、次のように述べた。「この目的はテクノロジーを用い、さらに発展させることである。Q-Exaプロジェクトにより「メイド・イン・ジャーマニー(“Made in Germany”)」の量子コンピュータへの新しい期待に満ちた道が拓かれる。なぜなら量子コンピュータをLRZのインフラに統合することは、科学と経済にとって大きな可能性を秘めており、このプロジェクトによって、量子コンピュータを実用化し、それを科学と産業界のユーザーが具体的に使用できるようになるからである」。
ヨーロッパ量子コンピューティング・ソリューションとの協働:
IQMのヤン・ゲッツ最高経営責任者(CEO)は、ミュンヘンでの量子コンピュータのプレゼンテーションで次のように同様の確信を表明した。
「強力な産業界パートナーと共に、ガルヒングのLRZに量子コンピューティング・システムを提供し、それを専門的なHPC環境に統合して開発できることをうれしく思う。協力してヨーロッパの量子コンピューティング・ソリューションに取り組み、ここドイツで、最も有望な量子コンピュータ・アプローチを開発していきたいと考えている」。
さらにゲッツCEOは、この野心的なプロジェクトでBMBFから受けた信頼と支援に対し、感謝の意を表した。
背景:Q-Exaプロジェクトは、助成プログラム「量子コンピュータ・デモンストレーション・セットアップ」の一環である。これは、ドイツにおける実証用量子コンピュータの建設を促進し、2020年夏に連邦政府が立ち上げた経済と未来のパケージの一部である。BMBFは、量子技術を幅広く推進するために、2025年までに約11億ユーロを投資する予定である。
量子コンピュータの実証機は、初期段階で大規模なテストを行なうことにより、量子コンピューティングの様々な技術的アプローチの長所と短所、システム固有のエラー源、技術的特殊性を特定するために重要である。
Q-Exaプロジェクトは、今後5年以内に現実のものとなる予定の競争力のある「メイド・イン・ジャーマニーの量子コンピュータ」実現のために重要な構成要素の1つである。 [DW編集局]