[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2021/10/31
抄訳記事公開日:
2022/01/31

DOEが大気からギガトン量の炭素を除去する「カーボン・ネガティブ・アースショット」を開始

Secretary Granholm Launches Carbon Negative Earthshots to Remove Gigatons of Carbon Pollution from the Air by 2050

本文:

2021年10月31日付けのエネルギー省(DOE)による標記発表は以下のとおり。

新たな目標では、二酸化炭素除去(CDR)の劇的な大規模化と、重要なクリーンエネルギー技術のコスト削減を目指している。

米国DOEのグランホルム長官は、DOEが大気からギガトン量の二酸化炭素(CO2)を除去し、CO2を正味1トンあたり100ドル未満で永続的に貯蔵するという新たな目標を発表した。DOEの「エネルギー・アースショット・イニシアチブ」の3番目の目標である「カーボン・ネガティブ・ショット」は、米国政府によるCDRの初めての主要な取り組みとして、2050年までに正味ゼロ排出を達成する計画の側面であるCDR分野の拡大に向けたイノベーションを全員参加で呼びかけた。

CDRは、大気から直接CO2を回収し、それを地中、バイオベース、海洋の貯留層、または付加価値製品に永続的に貯蔵して、負の排出量を生み出すさまざまなアプローチとして定義される。正味ゼロ排出に達するほぼすべての気候およびエネルギーモデルは、2050年までにカーボン・ニュートラルを達成するためには、CDRの開発と展開に短期的に的を絞る必要があることを示している。

今世紀半ばまでに、ギガトン規模でCDRを展開する必要があるが、1ギガトンの地下隔離CO2は、米国における乗用車(light-duty vehicle)からの年間排出量、すなわち1年間に走行する約2億5,000万台の車両に相当する。

CDR技術が、気候危機の緊急要請を満たす上で、大規模かつ間に合うように展開できる費用効果の高い、経済的に実行可能な技術を生み出すためには、研究開発への多額の投資がなお必要である。

「カーボン・ネガティブ・ショット」を通じて米国は、CDRのイノベーションを加速し、研究、製造、実証のリーダーとしての地位を確立する。またCDRに参加、またはCDRの影響を受ける可能性のある個々のコミュニティの要請を満たす、カスタマイズされた場所に応じたアプローチを構築する。DOEは、これらのコミュニティや、環境および気候正義団体、部族国家、労働団体、産業界、および科学界など、さまざまな利害関係者と有意義に関わるよう努める。「カーボン・ネガティブ・ショット」はまた、政府全体のアプローチを支え、連邦、州、および地方での調整を求めている。

DOEが「カーボン・ネガティブ・ショット」を介して推進する技術は、以下の4つの性能要素で定義される。

1.回収と貯蔵の両方で、CO2の正味1トンあたり100ドル以下までにCDRのコストを削減。

2.ライフサイクル排出量の堅牢な計量(つまり、除去技術の稼働時および構築時に発生する排出量も確実に計算されること)。

3.少なくとも100年間、監視、報告、および検証のコストが実証された、高品質で耐久性のある貯蔵場所。

4.必要なギガトン規模の除去を可能にすること。

上記の実行要素は、正味ゼロ排出目標の達成に必要な規模で、気候危機に対処できる責任あるCDR産業の創出と育成へと導くものである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]