[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2021/11/26
抄訳記事公開日:
2022/02/15

欧州研究・イノベーション協定および欧州研究圏の今後のガバナンスに関する合意

Commission welcomes approval of the Pact for Research and Innovation in Europe and future governance of the European Research Area

本文:

2021年11月26日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。

EU理事会はこのほど、「欧州研究・イノベーション協定」(R&I 協定)に関する提言と、欧州研究圏の今後のガバナンスに関する決議を採択した。

R&I協定は、学術研究の自由や研究者や知識の自由な循環など、欧州における研究・イノベーションの共通の価値観と原則を定義している。また、知識やデータをより迅速に共有するためのオープンサイエンスの促進から、すべての欧州地域・市民の関与によるEUの科学的リーダーシップと卓越性の強化に至るまで、共同行動のための16項目の共通優先領域について概説している。

同時に、理事会決議には、今後3年間で20項目の自主的な施策を策定する初めての欧州研究圏政策アジェンダが含まれている。これらの施策の中には、魅力的で持続可能な研究キャリアを促進し、科学をより市民に身近なものにし、卓越性へのEU全体でのアクセスを改善することが含まれている。

上記協定と決議が一緒になって、新しいビジョンと優先課題を設定し、EUと加盟国の欧州研究圏への取り組みを確認し、その管理のための新しい組織を設置する。これらは、「研究・イノベーションのための新たな欧州研究圏」を実現する上で重要なマイルストーンを示している。

R&I協定は、研究・イノベーション支援における欧州の改革目標を表明するもので、加盟国との調整の簡素化および進捗状況評価のための最新の監視メカニズムの基盤を確立する。欧州研究圏(ERA)の新しいガバナンスは、現在の構造を改善し、EUとその加盟国全体の政策のより緊密な協力と調整を可能にする。これには、今後3年間の具体的な施策を伴う最初のERA政策アジェンダの策定が含まれる。協定で定められた施策の優先領域では、2024年以降の期間の共同ERA政策アジェンダ更新のための安定した枠組みを提供する。

今後、欧州委員会と加盟国の代表者で構成される欧州委員会専門家グループである将来のERAフォーラムが、2022年の初めに設立される予定である。ERAフォーラムの文脈において、加盟国と欧州委員会は、ERA施策の実施を共同で企画・調整し、ERA政策アジェンダの今後の更新を準備し、Horizon Europe 準加盟国、関連する第三国、関係機関の関与を確保する。さらに、スコアボード、ダッシュボード、オンライン・ポリシー・プラットフォームなどを含む、新しいERA監視システムが、2022年半ばまでに構築される。

● 背景

2000年に最初に立ち上げられた欧州研究圏(ERA)は、欧州の研究・イノベーションシステムをより適切に統合し、EU、加盟国、関係機関間の協力を強化することを目的としている。

グリーン・デジタル移行におけるEUの目標、コロナウイルスのパンデミックが経済と社会に与える影響など、今日の進化する状況は、欧州研究圏に新たなニーズをつきつけた。ERAを活性化するプロセスは2018年に始まった。2020年9月の「研究・イノベーションのための新しいERA」に関する欧州委員会の政策文書で、新しいビジョンを設定し、これが2020年12月の新しいERAに関する理事会決議によって承認された。欧州委員会と加盟国で構成される専門家グループである、ERA移行フォーラムの設立は、2020年初めに共同作業を開始した。

[DW編集局]