[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
原子力・代替エネルギー庁(CEA)
元記事公開日:
2021/12/02
抄訳記事公開日:
2022/02/25

原子力・代替エネルギー庁が、Orano社と協力して原子力産業のデジタル化を加速

Le CEA mobilisé aux côtés d’Orano pour l’usine du future

本文:

2021年12月2日付原子力・代替エネルギー庁(CEA)の標記発表の概要は以下のとおり。

原子力・代替エネルギー庁(CEA)は、「Orano」社が発表した「udd@Oranoプロジェクト」に3年間参加することを明らかにした。原子力産業のデジタル化をさらに進めていくことことで、原子力セクターにおけるスキル、競争力、イノベーションの開発・強化を目的としたもので、フランス復興計画の原子力部門で選出されたプロジェクトの1つである。

● udd@Oranoプロジェクトの目的、課題、展望

udd @ OranoプロジェクトはOranoはOranoが主導し、スタートアップ、中小企業、CEAを含む研究機関から構成される11のパートナーが参加する。Orano社のニーズに合わせた最先端の技術を開発し、燃料の製造・再処理プラントの性能、機動性、競争力を高め、プロセスを近代化・最適化し、オペレーターの安全性を強化することを目指している。ロボット技術、付加製造、人工知能(AI)による新しいアルゴリズムの開発など、革新的なセンサーの設計からモノのインターネットまで、多くの技術的なブロックがこのプロジェクト内において展開され、最終的にはOrano 社の工場を、「インダストリー4.0」に象徴される生産性向上に導きたいとしている

■CEAの具体的役割CEAは、その2つの研究所(LISTおよびIRFU)を通じて、主に計測および人工知能(AI)の分野で技術展開に貢献する。

特にCEAが重要視しているのは、プロジェクトの主要分野の1つである、放射線防護専門領域、すなわち施設の放射線量と潜在的な照射領域の管理の最新化であり。目標は、将来の放射線防護を要する作業をすべてリモートで実行できるようにすることである。これにより、超小型化された機器のおかげで、被ばくのリスクを最小限に抑え、作業を容易にすることができる。

CEAは、エンドポイント線量測定と呼ばれるもの、つまり、オペレーターが放射線源に近づいたときに浴びる可能性のある放射線、(たとえば手袋でグローブボックスの中の燃料を扱うときなど)、について非常に正確な情報と継続的なデータを取得できるようにする技術を開発する。

さらにCEAは、超小型化されたガンマカメラも配備する。、これは原子力発電所内の放射性ホットスポットを、リアルタイムで可視化できるポータブル画像技術である。
そのほか、直径数ミリのパイプのような、制約の多い場所でも放射線のモニタリングを行える光ファイバー計測器や、産業排水に含まれる低レベルの放射能(1リットルあたり数ベクレル)を測定できるダイヤモンドセンサーも設計する。

未来の工場が人工知能ベースの技術なしでは機能できないことは、明らかである。この分野の専門機関として、CEAは、高性能アルゴリズムの開発とプロセス自動化の向上を通じて、計測パフォーマンスの向上、データ処理とシミュレーションモデルの改善において、Orano社を支援する。

CEAは、専用の電子アーキテクチャを介して、センサーに可能な限り近づけることができるアルゴリズムの最適化にも取り組んでいる。したがって、組み込み型AIは、展開されるほとんどの計測器に埋め込まれるため、udd @Oranoプロジェクトの重要なポイントの1つとなっている。

[DW編集局+JSTパリ事務所]