[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2021/12/01
抄訳記事公開日:
2022/02/25

米国宇宙開発優先順位フレームワークの報告書

United States Space Priorities Framework

本文:

2021年12月1日付けの大統領府による標記報告書の概要は以下のとおりである。

米国は今、歴史的な瞬間にいる。すなわち、宇宙活動が急速に加速しており、社会の様々な分野に新しい機会が生まれている。米国の宇宙におけるリーダーシップ、グローバルな宇宙ガバナンス、宇宙環境の持続可能性、安全で確実な宇宙運用が新たな課題になってきている。急成長する米国の宇宙活動は、国内外において米国の強さの源泉となる。

米国は宇宙における世界のリーダーである。その強力な宇宙プログラムは、同盟とのパートナーシップの拡大を可能にし、軍事的な強さを支えている。宇宙活動における米国の成功は、世界における米国の信頼性と影響力を強化するものであり、米国の国際的なパートナーシップを広げ、深めることとなる。また、宇宙能力は、米軍が米国本土を保護・防衛し、米国とその同盟国およびパートナーの国家的・集団的安全保障上の利益を向上させる。

現在および将来に亘って宇宙からの利益を得るためには、米国が民間、商業、国家安全保障の各部門にわたって活力ある宇宙活動を維持することが必要である。米国は、月、火星、そしてその先の探査を推進する宇宙研究と技術を開拓することにより、科学と工学における世界的リーダーであり続ける。米国は、競争力のある急成長中の商業宇宙部門を支援する政策・規制環境を育成する。

また、米国は、宇宙関連の重要インフラを保護し、米国の宇宙産業基盤の安全性を強化する。特に、宇宙システムのサイバーセキュリティを改善し、効率的な周波数アクセスを確保し、国の宇宙産業基盤全体のサプライチェーンのレジリエンスを強化するために、商業宇宙産業等と協働する。米国、同盟国、およびパートナーの利益に対する侵略を抑止するために、米国は、より強靭な国家安全保障宇宙態勢への移行を加速し、宇宙での敵対行為を検知し対処する能力を強化していくことになる。

米国は次世代に投資、すなわちSTEM 教育に投資を行う。官民の組織からなる米国のSTEMエコシステムは、米国人の科学リテラシーを向上させ、科学技術分野における多様性、公平性、アクセス性、包摂性を高める一環として、宇宙プログラムを活用し子供たちを教育していく。

宇宙活動の進化に伴い、宇宙活動の指針となる規範、規則、原則も進化しなければならない。このため、米国は、責任ある平和的かつ持続可能な宇宙探査と利用を主導し、宇宙活動のグローバルなガバナンスの強化をリードする。また、米国はスペースデブリを軽減し、追跡し、修復するために尽力する。また、地球に帰還する宇宙船による生物学的汚染を回避することにより、地球の生物圏を保護することも継続する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]