[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2021/12/02
抄訳記事公開日:
2022/03/01

マックスプランク協会チームがマスク着用の防御効果を調査

So gut schützen Masken

本文:

2021年12月2日付マックスプランク協会(MPG)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。
詳細な研究には、マスクの着用時と非着用時の、様々なシナリオにおけるコロナ感染の最大リスクが示されている。悪いニュースとしては、3mの間隔を取っても保護されないことがあるということだ。この距離でも、コロナ感染者が呼吸する空間内に居合わせたワクチン未接種者が、100%確実に感染するまでに5分もかからない。良いニュースは、適切にフィットしている医療用マスクを着用しているか、または状態の良いFFP2マスクを用いた場合には、リスクが大幅に低下することである。ゲッティンゲンのマックスプランク動力学・自己組織化研究所(Max Planck Institute for Dynamics and Self-Organization)のチームは、包括的な研究で、どのマスクがどの程度の保護効果を発揮し、どのように着用されているかを調査した。最大感染リスクを測定し、過去の同様の調査では含まれていなかったいくつかの要因も含めて検討した。
公共交通機関内におけるような、避けられない人との間隔で、長い遭遇・接触時間があるという場合でも、密に取り付けたFFP2とKN95のマスクは、コロナ感染を劇的に低下させる。
同研究所のエバーハルト・ボーデンシャッツ(Eberhard Bodenschatz)所長は、次のように述べた「我々の研究では、3mの距離であっても、COVID-19ウイルスのデルタ変異体で発生するような高いウイルス量を持った感染者に、数分間遭遇し、マスクを着用していない場合には、感染のリスクが非常に高いことが確認された」。
フィットしているマスクは、リスクを少なくとも千分の一にまで下げる:
感染者と非感染者の両方が肌に密着したFFP2マスクを着用している場合、最短距離であっても、20分後の感染の最大リスクは、千分の一以下である。不適切なマスク着用では、ウイルスは約4%に増加する。マックスプランクのチームによって測定された感染の確率は、リスクの上限を示している。同所長は次のように述べている「日常生活では、実際の確率は確かに10~100倍小さい」。
「学校でマスクを着用することは、良い考えである」:
研究グループリーダーのモフセン・バゲリ(Mohsen Bagheri)氏は次のように述べた「FFP2またはKN95マスクの膜だけではなく、一部の医療用マスクの膜は、非常に効果的にフィルタリングする。しかし感染のリスクは、マスクの端を流れる空気に影響され、マスクの境界面が顔面にフィットしていない場合に発生する。マスクを丸みを帯びたW形に曲げると、完全に顔の形に合せることができ、伝染性エアロゾル粒子がマスクを通過しなくなる」。
Covid-19に対してマスクはどのように保護しているのか:
密にフィットしたFFP2マスクは、適切に着用された外科マスクに比較して75倍の優れた保護機能を有している。マスクの着用方法による違いもある。医療用マスクも、口鼻保護のない状況と比較して感染のリスクを大幅に減少させている。「このようなことからパンデミックの間に、マスクを着用することは非常に重要である」とバゲリ氏は述べている。

[DW編集局]