2021年12月17日付欧州委員会（EC）の標記発表の概要は以下のとおり。

欧州委員会はこのほど、欧州構造投資基金（ESIF）の実施状況に関する2021年版概要報告書を発表した。本報告は、2014～2020年期の2020年末までのESIFの累積的な成果を示している。

ESIFは、2014～2020年の期間で4,610億ユーロに達した。これらの基金は、国の協調融資によって補完され、これまでに、持続的な社会・経済的統合、円滑なグリーン・デジタル移行、レジリエンス、地域結束を促進するための、6,400億ユーロ（REACT-EU（結束と欧州地域のための復興支援イニシアチブ）リソースを除く）の全体投資の引き金となっている。

2020年末までのESIFの具体的な成果は次のとおりである。

・300万の企業を追加の運転資金で支援。
・23万6,500件の新規雇用を創出。
・35万9,000世帯以上のエネルギー効率を改善。
・4,500万人を雇用、社会的包摂、教育施策で支援。
・農業セクターと農村地域で200万件を超えるプロジェクトを支援。
・海事および水産業セクターで3万1,500人の雇用を維持し、4,000人の新規雇用を創出。

ESIFは、Covid-19 パンデミックとの闘いにおける主要な手段の1つとなっている。2020年春、コロナウイルス対策投資イニシアチブ・パッケージ（CRII および CRII +）により、加盟国は未使用の結束政策基金を医療、短期間の作業計画、中小企業への支援などの優先領域に再配分する可能性を与えられた。CRII および CRII +の支援の下でのパンデミック対処のための結束政策による総支援額は213億ユーロに達した。

この緊急危機対応に加えて、REACT-EUを介して2014～2020年に結束政策ファンディングに対して補足リソースが追加された。506億ユーロの追加で、これは加盟国が2021～2022年の間に復興の促進と十分なグリーン・デジタル移行支援に使用することができる。

※ ESIF について

EU予算の下で最大の投資手段の1つとして、ESIF は欧州地域の地域的、経済的、社会的結束、および過去数年間に直面した危機からのレジリエンスと復興を支援している。その構成は次のとおりである。
・欧州地域開発基金（ERDF）
・欧州社会基金（ESF）
・結束基金（CF）
・欧州農村開発農業基金（EAFRD）
・欧州海事水産基金（EMFF）

ESIF で追求される政策目標は次のとおりである。
・スマートで持続可能な包括的成長
・行政の制度的能力の強化
・都市開発と地域協力（インターレグ）

[DW編集局]