[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ネットワーキング・情報技術研究開発プログラム(NITRD)
元記事公開日:
2021/12/03
抄訳記事公開日:
2022/03/07

2022年度大統領予算教書における情報技術・AI関連の補足文書

NITRD and NAIIO SUPPLEMENT TO THE PRESIDENT’S FY2022 BUDGET

本文:

2021年12月3日付けのネットワーキング・情報技術研究開発プログラム(NITRD)による標記報告書の概要は以下のとおりである。

1991年の高性能コンピューティング法に基づき、連邦議会はNITRDを開始し、その後、3回の再承認と拡大が行われた。NITRDの使命は、連邦政府が必要とする高性能コンピュータ、IT、ネットワーキング、ソフトウェアにおける安全で高度な能力を特定、開発、利用開始するために影響の大きい連邦研究開発を調整し、活気のある官民研究開発パートナーシップを育成して、米国の科学者や政策、施設が協力して、世界最先端のIT技術を適切に提供できるようにすることである。25のNITRD加盟連邦機関、国家科学技術会議(NSTC)、行政管理予算局(OMB)、大統領府科学技術政策局(OSTP)の代表者がNSTCのNITRD小委員会を構成し、NITRDを監督している。

本報告書は、NITRDが毎年議会に提出する大統領予算補足文書(Supplement to the President’s Budget)の中で、加盟連邦機関が研究開発予算要求と来年度のプログラムおよび活動について説明するという義務を果たすものである。また、2020年の国家人工知能イニシアチブ法(NAIIA)の制定と国家人工知能イニシアチブ室(NAIIO)の設立に伴い、本補足文書はNAIIOが大統領の年次予算要求の一部としてNAIIA関連の予算とプログラム情報を議会に提出する義務も果たしている。

本報告書では、バイデン政権による以下の5つの質問に対するNITRDの対応について言及している。
① 現在および将来の公衆衛生ニーズに対応するための研究開発のNITRDによる調整
② 気候変動に公平に対処するための研究開発ソリューションのNITRDによる調整
③ 世界をリードする技術と未来産業のための研究開発のNITRDによる調整
④ 全米国民が科学技術の創造と報酬を共有するためのNITRDの支援
⑤ 米国の科学技術研究開発エコシステムの長期的健全性のためのNITRDの支援

また、本報告書では次のような予算に関する説明を行っている。連邦政府機関のNITRD関連研究開発に対する大統領の2022年度予算要求は78億ドルであり、2021年度の要求額65億ドルと比較して約19.6%の増加である。NITRD関連省庁の2022年度のAI研究開発への非国防投資は17億ドルで、2021年度の非国防AI研究開発への要求額15億ドルと比較して約11.2%の増加である。連邦政府の支援する国家AI研究所は、2022年度に合計1億830万ドルを要求している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]