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国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2021/12/06
抄訳記事公開日:
2022/03/08

DARPAがAI活用による科学モデル開発を加速

Leveraging AI to Accelerate Development of Scientific Models

本文:

2021年12月6日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記発表は以下のとおり。

2018年8月、DARPAはAI探索(AIE)プログラムにおける初のプロジェクト公募「自動科学知識抽出(ASKE)」を発表した。AIEは、AI概念の実現可能性の判断に役立つ短期間(約18ヶ月)の研究活動として設計されている。ASKEプロジェクトの目標は、科学知識の発見、キュレーション、および適用に関する手動プロセスの一部を自動化するAI技術の開発である。

ASKEプロジェクトの取り組みには二つの技術分野がある。一つは機械支援型キュレーションであり、研究者らは、AIを使用して有用な情報を抽出し、新しいモデルに組み込む方法を探求する。二つめは機械支援推論であり、AIが新規モデルを使用して、研究者がモデル化されたシステムを理解し、複雑な質問に答え、予測を行うことを支援する。

参加した研究者たちは、既存モデル(文書、方程式、ソフトウェア・コードなどの様々なデータ型式など)から知識や情報を自動的に抽出する方法を考案し、文献間で情報を照会およびリンクする技術を創成した。様々なモデル化構成を普遍的に表現および説明する方法を構築すると同時に、新しい発見や情報の入手に応じて、計算モデルを自動的に維持・更新するツールを開発した。

ASKEの成功により、「自動科学知識抽出モデル(ASKEM)プログラム」と呼ばれる、より大きなDARPAプログラムが開始されることとなった。ASKEMは、様々なミッションや科学分野で、専門家の知識とデータに基づいた意思決定を支援するために必要な複雑モデル、およびシミュレータの創成、維持、強化に必要な、AIアプローチとツールを備えた、知識モデル化・シミュレーション・エコシステムの構築を目指している。

ASKEは、AIEプログラムの可能性と、その機敏なアプローチを実証した。AIEは、さらなるリソースと専門知識を必要とするが、防衛と民生の両面で大きな利益をもたらす可能性がある長期プログラムの推進に役立った。言い換えれば、DARPAはAIEによって、より大規模な事業に取り組む前に、他の分野または分野でさらなる進歩が必要な分野や領域を把握することもできる。

AIEは、AI Nextキャンペーンと呼ばれるDARPA全体のAI投資戦略における重要な要素である。AI Nextは、米国がこの分野で優位性を維持できるようにすることを目的としている。現在までに、DARPAは30近くのAIEにおけるプロジェクトを立ち上げ、AI /ゲーム理論技術の進歩から、新たなAIプロセスアーキテクチャや革新的なフォトニクスハードウェアの開発まで、AIと機械学習に関連する幅広い研究トピックを探索している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]