[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2021/12/06
抄訳記事公開日:
2022/03/09

2022年度大統領予算教書における国家量子イニシアチブ予算

National Quantum Initiative Supplement to the President's FY 2022 Budget

本文:

2021年12月6日付けの大統領府による標記発表は以下のとおり。

量子情報科学(QIS)は、量子力学と情報理論を統合したものであり、国家の繁栄と安全保障を向上させる革新的なコンピュータ、センサー、ネットワークが含まれる。量子情報システムの性能は、従来の古典的技術の性能よりもはるかに優れており、1980年代以降の主要なQISの発見、1990年代以降の先駆的なQIS実験、量子工学能力の成長、および現在進行中のいくつかの商業活動の開発を基盤として、世界は2番目の量子革命の入り口にある。

QISに基づくイノベーションの可能性と、それに関連する雇用や安全保障への影響を鑑みて、米国は2018年12月に国家量子イニシアチブ(NQI)法を制定した。同法は、連邦省庁に対して、QISの研究開発(QIS R&D)を促進するためのセンターとコンソーシアムの設立を許可し、連邦政府全体、および産学との研究開発活動の調整を求めている。12を超える政府機関においてQISの中核的な研究開発が進行中であり、特に国立標準技術研究所(NIST)、国立科学財団(NSF)、エネルギー省(DOE)、国防総省(DOD)、インテリジェンス機関(IC)、および米国航空宇宙局(NASA)において実質的・持続的な取り組みが行われている

NQI法はまた、民間、防衛、諜報部門を含む米国政府全体でのQIS R&Dの取り組みに対する調整されたアプローチを求めており、これらの活動を導くために、国家科学技術会議(NSTC)の量子情報科学小委員会(SCQIS)、国家量子調整室(NQCO)、および全国量子イニシアチブ諮問委員会(NQIAC)のいくつかの責任を法制化した。同時に、国防権限法(NDA Act)によって法制化された国防量子情報科学技術研究開発プログラムは、DODの30年に亘る基礎的QIS R&Dの歴史を持続させる役割を持っている。

本報告書は、NQIプログラム予算に関する第2次年次報告書である。QISのR&D予算として2019年度に4億4,900万ドル、2020年度に6億7,200万ドル、2021年度には7億9,300万ドルが計上されており、2022年度に向けて8億7,700万ドルが要求されている。

2018年のQISに関するNSTC小委員会によって公表されたNQIプログラムへの戦略的概要では、基礎科学と工学への投資、労働力の開発、産業との関わり、インフラへの投資、経済と国家安全保障の維持、そして国際協力の奨励が特定された。また、科学、労働力、産業、インフラ、安全保障、国際協力の6つの分野に焦点を当てることにより、QIS R&Dに対する米国のアプローチの強化が推奨された。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]