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国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2021/12/17
抄訳記事公開日:
2022/03/16

研究計画法開始から1年 ANRはどう取り組んだか

Loi de programmation de la recherche : 1ère année de mise en œuvre par l’ANR

本文:

2021年12月17日付国立研究機構(ANR)の標記発表の概要は以下のとおり。

2021~2030年の研究投資計画を定めた「複数年研究計画法」(LPR)が2020年12月24日に公布されて1年が経過した。この法律によってフランスは研究予算の伸びを回復し、国際的な舞台での地位を強化する見通しが示された。またANRは研究・イノベーション・エコシステムを強化し、各地の研究室や研究施設のニーズをより適切に満たそうと努力している。初めの1年目を振り返る。

■ フランスの研究リソースの増加

2021年から、ANRが配分する予算は、認可額で7億4,600万ユーロから11億9,000万ユーロに増加し、ANRの創設以来最高のレベルとなった。これは、2億8,600万ユーロが政府の「フランス復興計画」から拠出されているためである。また1億ユーロ以上が、民間部門の研究開発雇用の支援に充てられている。

このリソース増加により、法律で定められた次の目標を達成することが可能になった。

▽公募プロジェクトの採択率上昇包括的プロジェクト公募(APPG)の採択率は、2020年は17%だったが、2021年には23%に達した。採択されたプロジェクト数は約1,800件で、前年より550件増えた。ANRのファンディングの大半は、対象の分野を限定しないことで、創造性や新しいアイデアの出現、研究リスク負担を支援している。

▽「間接経費」の強化
高等教育機関や研究室の財務を強化する「間接経費」(préciput)の割合を、2020年の19%から2021年には25%に増加させた。これにより2020年には1億ユーロ未満だった「間接経費」は、2021年には約1億7,000万ユーロになった。「間接経費」は、高等教育機関へ傘下の研究室を支援する目的で支払われる財務支援である。研究施設の運営経費以外に、研究方針に沿った活動を広げるための費用にも運用することが認められている。

▽産学連携研究の支援強化
公的研究室と中小・中堅企業との間に共同研究室を設けるためのプログラムである「ラブコム」(LabCom)による連携研究への支援強化、学術セクターと連携した民間セクターによる研究開発への投資を支援する「産業講座」、また、「カルノープログラム」による貢献は30%以上増加し、2020年の6,200万ユーロから2021年には8,200万ユーロになった。

■ 科学文化の普及促進策

ANRは2021年、予算の1%を科学文化の共有に充てるなど、法律とその関連レポートに盛り込まれているさまざまな規定を実施した。

2021年2月には応募者が関心のある分野を表明するための公募が始まったが、それに続いて、2022~2024年のプロジェクトを公募する複数年計画も策定された。その目的は、科学メディア・コミュニケーション、参加型研究、公共の意思決定と革新的なソリューションの支援のために科学的な専門知識をサポートすることである。

■ 公募プロジェクトにおけるSDGsの目標の推進

2019年以降、ANRは持続可能開発目標(SDGs)を行動計画に組み込んでいる。2020年には、プロジェクトの68%に、国連 の「2030 アジェンダ」の17項目の持続可能開発目標の少なくとも1項目が含まれている。

[DW編集局+JSTパリ事務所]