[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ヘルムホルツ協会(HGF)
元記事公開日:
2021/12/15
抄訳記事公開日:
2022/03/17

国際的な専門家チームがペロブスカイト太陽電池研究のためのデータベースを構築

Die Wikipedia der Perowskit-Solarzellenforschung

本文:

2021年12月15日付ヘルムホルツ協会(HGF)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。
1万5,000以上の専門出版物から、国際的な専門家チームがハロゲン化金属ペロブスカイト太陽電池に関するデータを収集し、そのデータベースを開発した。視覚化オプションと分析ツールを備えたこのデータベースは、オープン・ソースであり、このエキサイティングなクラスの材料で、急速に増加している知識レベルと未解決問題に関する概要の提供を目的としている。この研究は、ヘルムホルツ・センター・ベルリン(HZB)の科学者エヴァ・ウンガー(Prof. Eva Unger)博士が主導し、彼女のポスドクであるイェスパー・ヤコブソン(Jester Jacobson)氏によって実施・調整されている。
ハロゲン化ペロブスカイトには、太陽電池や他の光電子アプリケーションにおいて大きな可能性が期待されている。有機金属ペロブスカイトをベースにした太陽電池は、25%以上の効率を達成しており、安価で最小限のエネルギー消費で製造することができるが、安定性と信頼性の面でなお開発が必要である。“perovskite solar”というキーワードで、すでに1万9,000以上の出版物がウエブ・オブ・サイエンスに登録されている。

フェアー(FAIR)原理に従ったデータ:
現在30以上の国際的な研究機関から95人の専門家が参加し、ペロブスカイト半導体に関する調査結果を体系的に記録するデータベースを設計した。データベースは、「FAIRの原則」に従って準備されているので、見つけ易く(Findable)、アクセス可能で(Accessible)、相互運用可能(Interoperable)、再利用可能(Re-useable)である。
人工知能(AI)支援する分析によって得られる新たな知見
「データは常に経験科学の基礎であったが、データが十分な量、一貫した方法で収録されれば、現代のアルゴリズムとAIで検索することができ、全く新しい知見を得ることも可能となる」と、このプロジェクト・コーディネータであるヤコブソン氏は述べた。
新しいデータを簡単にアップロード:
このデータベースには、簡単に相互の検索を可能にする分析ツールと、グラフィカル・データの視覚化ツールが備わっていて、新しいレビュー済みの専門誌から、新しいデータを簡単にアップロードできるオプションも用意されている。「ペロブスカイト太陽電池研究のためのウィキペディアである」とウンガー教授は述べ、研究コミュニティの参加を募っている。

[DW編集局]