[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
カールスルーエ工科大学(KIT)
元記事公開日:
2021/12/16
抄訳記事公開日:
2022/03/22

BMBFが総額4,400万ユーロでスマート・バッテリー・セル生産を助成

Intelligente Batteriezellproduktion

本文:

2021年12月16日付カールスルーエ工科大学(KIT/ヘルムホルツ協会)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は、スマート・バッテリー・セルの生産に関するコンピテンス・クラスターを総額約4,400万ユーロで助成しているが、その最初の成果が公開された。
高速かつ低コスト、同時に汎用性と高品質:これらは将来のバッテリー生産に対する要望条件である。バッテリーのコンピテンス・クラスターの「スマート・バッテリー・セル生産(InZePro)」は、KITによって運営されている。生産システム全体を最適化し、使用量、フォーマット、素材、使用技術に柔軟性をもたせることを目指している。この目標はたとえば、プロセスにまたがったデータ主導型アプローチや、インダストリー4.0ソリューションによって実現することができる。
InZeProに関する研究プロジェクトで最初の成果が得られた。焦点となったのは、アジャイルプラント技術、個々の生産ステップと生産システム全体のデジタル化、および生産における仮想生産システムと人工頭脳(AI)である。
デジタル化とインダストリー4.0に関するガイド:
バッテリー・セル生産におけるデジタル化のガイドとして、機械・システム技術、プロセス技術、計画、制御、物流、品質管理などの分野に関するツールボックスが作成された。その目的はバッテリー・セル生産におけるデジタル化とインダストリー4.0の体系的な実施を加速させることである。
デジタルツインと機械学習:
デジタルツインを用いて、将来の様々なシナリオや柔軟なバッテリー生産システムへのそれらの影響を、調査・評価できることがわかった。デジタルツインは、計画・制御のための一種のオペレーションシミュレーションとして理解することができる。
データ構造化や機械学習のアプローチを様々なプロジェクトで開発した。たとえば設備は、生産プロセスにおけるプロセスやパターンを認識し、エラーに対して独立して対応できるようなシステムを備えている。
品質保証:
結果はプロジェクトをモニタリングしている管理グループによってレビューされ、研究と産業界が緊密に連携できるようにしている。
KITのwbk生産技術研究所の所長で、クラスターInZeProの会長でもあるユルゲン・フライシャー教授(Prof. Jürgen Fleischer)は、「プロジェクトでの能動的な協働によって、リチウム・イオン・バッテリー・セル生産の全工程がカバーされている。このようにして、自動車産業などの生産企業で、受注状況が変動し、製品のばらつきが大きい場合でも、生産性を向上させると共に、コストを削減し、製品品質を向上させられるようにしたい」と述べた。
InZeProコンピテンス・クラスターでは、28のドイツの研究機関から約200人の科学者が参加している。このクラスターには、2023年まで資金助成がなされる予定である。

[DW編集局]