[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会(FhG)
元記事公開日:
2022/01/11
抄訳記事公開日:
2022/03/29

フラウンホーファー研究ファクトリ バッテリー・セル(FFB)が、独立したフラウンホーファー研究所に移行

Fraunhofer Forschungsfertigung Batteriezelle FFB wird selbstständige Fraunhofer-Einrichtung

本文:

2022年1月11日付フラウンホーファー協会(FhG)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。
フラウンホーファー研究ファクトリ バッテリー・セル(FFB)は、2022年1月から、FhG傘下の一つの独立した研究所となった。FFBは、これまでフラウンホーファー生産技術研究所(IPT)の一部として、また連邦教育研究省(BMBF)が助成するFoFeBatのプロジェクトの一環として設立された。
FFBの目的は既存および将来のセル・フォーマットの生産技術の革新と商業化プロセスを加速し、バッテリー技術を用いてより効率的に、安価かつ最高品質で生産し、長期的に他国のエネルギー貯蔵技術市場への依存を避けることである。独立したFFBの執行管理は、暫定的にイェンス・テュブケ教授(Prof. Jens Tübke)が引き継ぐ。

FFB開発のためのFoFeBatプロジェクトは、BMBFによる上位概念「バッテリー研究工場“Forschungsfabrik Batterie”」に組み込まれている。このコンセプトの下、BMBFは、様々なコンピテンス・センターやクラスターにおけるバッテリー技術に関する資金を束ねている。FoFeBatプロジェクトと、それによるFFBの目的は、既存および将来のバッテリーセル・フォーマットの生産技術のイノベーションと商業化プロセスを加速することである。この分野での能力を高め、ギャップを埋めるために、大規模な研究生産の運用経験を重ねていくことに重点を置いている。
プロジェクト開始から約2年が経ち、今やFFBは独立したフラウンホーファー機関として必要なすべての要件を満たしている。たとえばミュンスターでは常勤の職員や、活動や意思決定が可能な組織とプロセスが実現されている。独立したフラウンホーファー機関としての地位は、後にフラウンホーファー研究所となるための重要なステップとなる。名称は引き続きフラウンホーファーFFBとなる。

産業プロジェクトを目指す:
プロジェクト助成と並んで、今後、さらなる予備研究プロジェクトや産業プロジェクトが予定されている。そのため、独立したフラウンホーファーFFBでは、特に産業プロジェクトを通じて、産業界のニーズをより正確に把握し、フラウンホーファーFFBのサービス・ポートフォリオを適応させるための前提条件が整いつつある。
「気候保護政策の野心的な目標を達成するためには、最新の研究成果を迅速に応用に移していく必要がある。蓄電設備の開発と生産は極めて重要である。科学と業界の間のリンクとしてのフラウンホーファーFFBは、業界がバッテリーセルを経済的および生態学的に生産することを可能とする中心的な研究・生産インフラとなる」と、FhG会長のライムント・ノイゲバウアー教授(Prof. Reimund Neugebauer)は述べている。「フラウンホーファー研究ファクトリバッテリーセルを独立したフラウンホーファー研究所へと移行させることは、必然的な一歩であり、ハイテク立国ドイツを標榜するドイツの将来的な持続性と技術主権にとって、またバッテリーセルの研究生産にとって大きな意味があることを示している」と付け加えた。
「フラウンホーファーFFBの独立は、ミュンスター事業所の発展における重要なマイルストーンである。これによって研究の問い合わせに対してさらにフレキシブルに対応することができ、独自のプロジェクトを実施することが可能となる」とフラウンホーファーFFBの所長代理であるイェンス・テュブケ教授は述べた。

[DW編集局]