[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州研究インフラ・コンソーシアム(ERIC)フォーラム
元記事公開日:
2022/01/26
抄訳記事公開日:
2022/03/31

欧州研究インフラ・コンソーシアム(ERIC)フォーラムが第2回政策概要を発表

The ERIC Forum is pleased to announce the release of its second policy brief

本文:

2022年1月26日欧州研究インフラ・コンソーシアム(ERIC)フォーラムは、第2回ERICフォーラム政策概要を発表した。その概要は以下のとおり。

「ERICによる研究プロジェクトの規模拡大:研究エコシステムに対するビッグサイエンスの影響」と題するこの政策概要は、特に欧州の研究開発・イノベーションエコシステムにおける研究インフラ(RI)とERICの極めて重要な役割を示している。また、RIを通じて欧州の科学に多額の投資が行われることによる科学的・社会的影響と、科学的・社会的課題に取り組むための多様な方式についても取り上げている。

領域別または領域横断的に選択されたケーススタディでは、今日および今後の主要な課題に対処するイノベーションの幅と深さを説明している。

ERICシステムが持続可能な枠組内で欧州研究圏(ERA)の中枢として機能し続けられるように、ERIC研究エコシステムを最適化し、研究および社会経済的影響への貢献を効果的に拡大するための実用的な提言が示されている。

提言は以下のとおり。

1)ビッグサイエンスの手段としての汎欧州研究インフラの付加価値は、国内および国際レベルでの研究コミュニティや産業界など主要関係者の間でさらに強調されるべきである。共通の課題に取り組むグローバルな研究プロジェクトにおけるコラボレーションを促進するため、ERICsによるグローバルな拡大やパートナーシップを促進する必要がある。さらに、ERICへの第三国の参加は、ERIC規制を承認しない場合でも、MoU(覚書)によって規制される戦略的パートナーとしての参加など、他のさまざまな形態によって奨励されるべきであり、それによって協力の好ましい状況を整えることができる可能性がある。

2) ERICで参加・協力することの利点は、個々のパートナーが、共同機能を使用して相乗効果を生み出す目的で、関心のあるプロジェクト又は活動に従事するときに明らかになるはずである。集団的知性を動員する RI および科学コミュニティ全体の大規模な学際的コラボレーションは、参加組織に利益をもたらすだけでなく、研究課題の優先順位付けや研究プロトコルの共同設計によって、卓越性とより大きな効果を促進する。

・非常に協力的な競争プロジェクトへの研究・インフラ・スタッフの参加を促進するために、著者資格に関する規則、評価基準、キャリア開発ポリシーを策定する必要がある。
・データの規準、共有、再利用、分析のための運用上および法制上の枠組を強化する必要がある。

3) ERICに対する加盟国の支援は、各国内プログラムの枠組みの中で競争的資金の公募により促進され、各国のノードとハブを支援し、提案された活動の質と効果を高める必要がある。適格性に関する各国内規則は、受益者としてのERICの参加を許可するように適合させる必要がある。どの加盟国のERICも、ホスティング契約の詳細とは関係なく、ERIC規則に従い、国内のERICノードおよびハブを含む、独自の法人格を持つ、独特かつ国際的で確立された機関として明確に認識される必要がある。

4) ファンディング・メカニズムは、(ERICインフラの支援から全面的に恩恵を受けるために)、規模、多国籍で国境を越えた利用可用性、優先順位付け基準の点で、大規模な科学プロジェクトのニーズを満たすためにERICの潜在能力を最大限に引き出すように適合させる必要がある。

5) ERICは産業界にとって貴重な存在である。このようなコラボレーションの可視性は、産業界が卓越性のラベルとして活用できる「ERICラベル」を創設することによって促進できる。「産業委員会」の設置は、コラボレーションの維持と強化に貢献できる。

6) 欧州委員会は、国際協力を支援・促進するために、INFRADEV契約などの手段を通じて、準備段階を超えてERICの役割を維持し、ERICを支援し、EU枠組プログラムのすべての柱への参加を促進する必要がある。

7) 証拠に基づく政策立案は、定期的な公式・非公式コミュニケーションを促進する専用のフォーラムを通じて、ERICと政策立案者の間の対話を強化することによって支援されるべきである。

[DW編集局]