[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2022/01/26
抄訳記事公開日:
2022/04/14

プリオン病関連の研究再開を提言へ

L’IGÉSR et le CGAAER précisent les conditions de sortie du moratoire sur les travaux de recherche relatifs aux maladies à prions

本文:

2022年1月26日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、国立科学研究センター(CNRS)、国立農業・食料・環境研究所(INRAE)、国立保健医学研究所(INSERM)の5機関は、昨年7月から一時的に停止しているプリオン病関連の研究や実験の段階的な再開を政府に提言することで合意した。

この予防措置は、クロイツフェルト・ヤコブ病に罹った可能性のある症状を示す人物がおり、その人物がINRAEのトゥールーズ獣医学校のプリオン関係の研究室で働いていたことが判明したことが契機となっていた。ただ診断において感染したとは特定されていない。

高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)と農業・食料省は、それぞれの監査組織に対し、この人物の感染の可能性のあるすべての経路を調査して科学的な結論を導き出すよう指示するとともに、一時停止を終了するための条件を提言するよう求めていた。

監査組織による報告書は、汚染された物質で切り傷を負ったことが原因となった可能性があると指摘。研究活動を再開するための条件として、「外部監査を実施して指針への準拠を評価すること」、「研究室ごとに活動の再開を決定すること」、「職員のトレーサビリティと医療モニタリングを実施し、上部組織で評価すること」などを求めている。

さらに「モニタリングやリスクを経たことを記録する通行証を各職員に発行する」、「全職員への適切な情報周知とトレーニングを強化する」、「できるだけ安全管理と研究の部門を分離する」、「全国レベルでプリオン委員会を設置してプリオン・コミュニティの活動を促し、すべての当事者にそれを開放することによってチーム間の共同作業を続けさせる」、「安全対策を広げて、ヒトのタンパク障害を引き起こす可能性があるプリオン類似のものを研究する機会を探る」ことなども示している。

[DW編集局+JSTパリ事務所]