[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2022/01/26
抄訳記事公開日:
2022/04/15

飲料水中の新興汚染物質に関する重要な研究ギャップに対処するための計画の更新

Update to the Plan for Addressing Critical Research Gaps Related to Emerging Contaminants in Drinking Water

本文:

2022年1月26日付の国家科学技術会議(NSTC)による標記報告書の概要は以下のとおりである。

新興汚染物質(CEC:Contaminants of emerging concern)は、全米の飲料水システムから低レベルで検出されており、最近の研究では、CECの摂取が人間の健康にリスクをもたらす可能性があることが指摘されている。この懸念に対応するため、大統領府科学技術政策局(OSTP)は、議会から要請に基づき、重要な研究ギャップに対処するための省庁横断的な計画の策定を目的とした「CEC研究開発タスクフォース」を設立した。

これにより、既存の連邦と州の活動の連携を改善し、公衆衛生を守るためのCEC関連の飲料水勧告、基準、緩和の取り組みに必要な、研究、ツール開発、情報解析が強化される。この省庁横断計画は、次の5つの要素を説明し統合するものである。

(1) 重要なCEC研究ギャップの特定
(2) 各機関のミッションとCEC研究ギャップの整合
(3) 協力と調整のためのテーマ分野
(4) スケジュール
(5) 研究効率向上のための行動

この省庁横断的な計画を作成するために、タスクフォースはCECに適用される飲料水安全法、現在の連邦および州の研究開発活動、およびCECに関する科学的理解の状況を検討した。この結果、以下の3つの分野で重要な研究ギャップが特定された。

▽汚染物質の同定: 水サンプリング設計の改善、CECモニタリング技術の向上、混合物中の汚染物質同定のための迅速な分析ツールの開発の継続、CECデータの取り込みと処理を自動化する人工知能(AI)などの計算ツールの開発の加速化

▽曝露特性評価: 送配水システムの構成と整合性に関する研究の実施、水道蛇口における曝露を評価するモデルの開発、送配水システム別および供給源別の曝露シナリオの研究、 消費者の行動や人口動態が曝露量に与える影響の調査

▽ヒトの健康への影響: ヒトの健康リスクを迅速に評価するための計算ツールの開発、現実的な曝露シナリオの下でのヒトの健康リスクを評価するツールの推進、敏感な発達期のCEC曝露に対するヒトの健康評価方法の改善、CEC事象の心理に関する理解の構築、安全な代替化学物質を特定する方法の研究

[DW編集局+JSTワシントン事務所]